3.「なりすまし」の手口は40年も前から霊感商法でも行われてきた!?
有名人になりすました人物から、偽の投資サイトに誘導させられて億のお金を騙し取られる事例が相次いでいます。
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先にも例をあげたスマホ乗っ取り詐欺も、本人の偽造マイナンバーカードを提示していますが、すべて「なりすまし」から出発しています。
過去に旧統一教会が行っていた霊感商法の手口でも、霊能師や占い師になりすました人物が、霊がみえたり、先祖霊と交信できるフリをして「あなたに救いを求めている」などと言って、高額な壺や印鑑などを売り付けて、多くの被害を出しました。
つまり、すでに40年以上前から、何者かになりすまして相手からお金を取るという行為を、旧統一教会の信者らは行っていたわけです。
もっといえば、有名人をかたる詐欺やスマホ乗っ取り詐欺では、役割分担をしながらお金を騙し取ろうとしており、個人ではなく組織的な犯行といえます。
実は、役割分担をして相手を騙すという組織性も、すでに旧統一教会で行われてきました。
詐欺グループには犯罪の絵図を描く指示役がいます。それは霊感商法でも同じで、「壺を売る」という絵図を描いた幹部がおり、それをマニュアル化して、末端の信者らに「信仰」の名のもとに指示通りに活動させて壺や印鑑などを売りつけていました。
信者らは、アベルという指示役のもとでの手足となる実行役です。
まさに今の組織的詐欺の源流というべきものが、40年以上前から構築されていました。
悔しいことですが、お金を集める術に関しては先見の明があったということになります。彼らは信教の自由を口にしますが、それが保証されているからとって、何をしても許されるわけではありません。そうした団体が公益宗教法人としてあり続けてはならず、文科省が解散命令請求を行うのは至極当然なことだと思います――(この記事はメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』2024年5月14日号の一部抜粋です。続きは初月無料のお試し購読をご登録の上お楽しみください)
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