サイゼリヤの社員登用試験で「ペーパーテストがなくなった」驚きの理由

 

さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。

広告に回すお金があったら、少しでもいい食材を使って、お客さまに還元する

一度会長に「なんで社内政治がないんですかね」と聞いたことがあります。すると、「上に行けば行くほど、しんどくなるようにしてあるから。人間、暇になると政治をするから、暇がないようにしておけばいいんだよ」と言っていました

店を視察に行ったとき、パートさんに「なんで社員にならないの?」と聞くと、「ペーパーテストがあるから」という答えが返ってきたので、「じゃあ、それなくすわ」というわけで、パートやアルバイトが社員になるときのペーパーテストを廃止し、学歴も不問にしました。そのかわり、職場の仲間5人の推薦状を持ってきたら社員にするということにしたのです。(中略)入社してから、仲間に書いてもらった推薦状を本人に渡すと、みんな涙を流します。自分のことを、こんなふうに思っていてくれたんだということがわかって、スタッフ同士の結束が固まるという思わぬ効果もありました

サイゼリヤには原価計算がない、ノルマがない、社内政治がない

サイゼリヤの基本理念は「人のため」「正しく」「仲良く」という3つの言葉からなっています

厨房は利益を生まないコストゾーンなので、狭いに越したことはない。浮いた面積をプロフィットゾーンである客席に充てれば、その分、儲けが出やすくなります

特定の地域にまとめて出店すると、その分、商圏が狭くなるため、利用頻度が高くないと成り立ちません

そこで、いままで1週間しか使っていなかったコンバインをせめて3カ月は使おうと考えました。全部一斉に植えて一斉に刈り取るのではなく、時期をずらして稲刈りするように変えるのです。そのために、北海道の早生種を持ってきたら、ちゃんとお盆には収穫できるところまで稲穂が育ちました

田植え機も使用期間の短い機械ですが、コンバインのように使用期間を延ばす方法は採らず、田植えそのものをなくすことを考えることにしました

どうやって開店準備作業を短縮化するのか。まず目をつけたのが掃除機です。(中略)掃除機は結局、何をしているかというと、ゴミを移動させているわけです。ゴミを移動させるだけやったらモップでもええやろ、ということで、1メートル幅のモップを導入しました

目視確認が必要なものは、目の高さに置くのが基本

役職に「長」がつくと、人に命令することが仕事だと勘違いする人がいる

商品開発から出店戦略、コスト削減の工夫、マネジメントまで、数ページ読む度に「へえー!」「ほう!」が連発する、THEビジネス書でした。

正垣氏の本ではわからなかった、正垣氏の思想や言葉、エピソードが紹介されており、読み応えのある内容です。

経営人材になるために、どんな思考が必要か、その要諦がわかると思います。

ぜひ、読んでみてください。

image by: James Jiao / Shutterstock.com

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Amazon.co.j立ち上げに参画した元バイヤー、元読売新聞コラムニスト、元B11「ベストセラーBookV」レギュラーコメンテーター、元ラジオNIKKEIレギュラー。現在は、ビジネス書評家、著者、講演家、コンサルタントとして活動中の土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介。毎日発行、開始から既に4000号を超える殿堂入りメルマガです。テーマ:「出版/自分ブランド/独立・起業」

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【著者】 土井英司 【発行周期】 日刊

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