競争が激しい飲食業界にあって、年商20億円規模を維持し売上も前年比105%ほどで推移しているという、外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんが支援するとある企業。しかし「3年後に8,000万円の営業利益が吹き飛ぶ」と試算するなど、社内には常に危機感があると言います。堀部さんは自身のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』で今回、その企業が何を根拠に「8,000万円が失われる」としているかを解説。さらに同社が取るべき対策を考察しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:年商20億企業の危機感。何故3年後に営業利益8,000万円が吹き飛ぶと確信して対策進めるのか
年商20億企業の危機感。何故3年後に営業利益8,000万円が吹き飛ぶと確信して対策進めるのか
先日は年商20億円規模のご支援先。複数業態ではなく、絞り込んだ業態を確実に展開されていらっしゃいます。
前年比で比べると売上は105%くらいで推移し、何より営業利益率は5%改善。
これだけ見ると「良いですね!」となりますが、社内にそんな楽観的な空気感はありません。
むしろ危機感が常にあり、それをどう打破するのか。
これが前提になっています。
では何故ここまでの危機感を感じているのでしょうか?
■危機感の理由1
当たり前ですが人件費の高騰ですね。現状は時給1,200円なのですが、
- 2024年10月:1,250円
- 2025年10月:1,300円
- 2026年10月:1,360円
- 2027年10月:1,420円
毎年約4%くらい上がると考えると、既に上記になる事は確定しています。これぞ複利の凄さという感じですよね。
こちらは原価率が低い分、人件費率が高いモデル。
アルバイトさんで売上の20%を占める訳です。
3年後の時給上昇率で考えると、
- 118.3%=1,420円÷1,200円
こう考えると普通にこのままいけばアルバイトさんの比率は下記になります。
- 23.6%=20%×118.3%
つまり「3.6%」の利益減がわかっている訳です。
冒頭の通り年商20億円の企業ですので、
- 7,200万円=20億円×3.6%
これは対策しなければほぼ確定の話で実現してしまう話です。
■危機感の理由2
キャッシュレス比率の増加です。こちらは現状クレジットを導入せず、PayPayのみの対応です。
それでお客様の利用率は約30%というところ。これが今後50%にまで拡大するだろうと考えています。
現状で言えば下記が支払い手数料。
- 1,188万円=年商20億円×キャッシュレス比率30%×手数料1.98%
これが今後こう予想されます。
- 1,980万円=年商20億円×キャッシュレス比率50%×手数料1.98%
そう考えると負担学は下記です。
- 792万円=1,980万円-1,188万円
何もしなければ簡単に吹き飛ぶ数字。これも危機感として感じています。
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