(1)神宮外苑問題、小池氏と蓮舫氏の議論は「子どもの学級会」
まず、神宮外苑の問題があります。確かに三井不動産の主導する再開発計画は、多くの樹木を伐採して「外苑の緑」を破壊する可能性があります。
ですが、蓮舫候補のように小池知事が何もしないから悪いというのも一方的です。なぜなら神宮外苑は私有地であり、明治神宮の所有だからです。
では、小池候補の言うように、私有地に対しては都としては介入に限度があり、現在の施策で外苑における事態の推移を見てゆくだけでいいのかというと、結局は外苑の緑が守れる保証はありません。
こんな子どもの学級会のような議論をしていては、何も解決しないと思います。
可能性としては、外苑を明治神宮から都が購入して緑を守るという政策が一つあります。カネはかかりますが、効果はあります。それは無理だということであれば、緑地保護条例など外苑の緑を強制的に守る施策を行って、開発に対抗するという可能性もあります。
その場合は、経済活動に影響しますが、現在の東京で進んでいるバブリーなハコモノ経済の危険性を考えると、このあたりで強烈にブレーキを掛ける必要があるという議論はあっていいと思います。
もっと幅広く、ついに百軒店地区の全面破壊まで視野に入ってきた渋谷の再開発、都内の各地で行われている界隈つぶしなども含めて、本当にハコモノ経済が経済として成り立つのかを問いかけていく必要も感じています。
立石の再開発なども、本当に経済的に成立するのか、品川から高輪の開発もそうですが、本当に元が取れて経済成長に寄与できるのか、今ここで立ち止まって考える必要があります。
そう考えると、外苑問題だけで学級会のようなグダグダな議論をしている暇はないはずです。