トヨタ認証不正問題の「不正」を辛坊治郎氏が暴露。国交省・マスコミ・メーカーの馴れ合いが日本の国益を毀損している

 

トヨタにも実はメリット。認証制度をめぐる国交省との化かし合い

今回、私のような第三者が見ていて面白かったのは、メーカーと役所の水面下の綱引きです。

問題発覚後に記者会見したトヨタトップのコメントでも明らかなように、今回の不祥事についてメーカー各社は本音の部分で「別に安全に問題はないだろう」と思っています。

実は役所もそう思っているからこそ販売済の数百万台の車について問題にしないのです。

認証不正にはいくつかパターンがあります。

例えば追突時の燃料タンクの安全性をテストするために、認証を受けるためには後方から1.1トンの重さの物体を衝突させる必要があります。

トヨタはこのテストを、他の国際標準の検査に合わせるために1.8トンの重さの物体を衝突させたデータを流用していました。

今の多くの車は、軽以外は車重1.8トンくらいが普通ですから、追突事故を想定するなら1.8トンが適当でしょう。

トヨタの本音は「より厳しい条件でやったので安全性には問題ない」という点にあります。

トヨタのトップは記者会見でこの本音を滲ませる発言をした一方で、現在の自動車認証制度を糾弾することはしませんでした。

なぜか?それは自動車認証制度はメーカーにとってもメリットのある制度だからです。

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