認証制度で新規参入を阻止、トヨタがクルマ市場を独占する
最大のメリットは新興企業の出現を阻止できることです。
新車の量産をするには、当該車種についての国の型式認証が不可欠です。この認証を受けるためには、先ほどの追突試験など、最低でも4台の新車をぶっ潰す必要があるのです。
その検査装置もメーカー持ちですから、資本力の小さい新興メーカーが開発した車が国の認証を受けて量産するなんて、実際問題として不可能です。
今、中国では雨後の筍の様に新興の自動車メーカーが誕生して、業界淘汰の時代に入っていますが、新興メーカーの発売する車の中には今までの常識を打ち破る画期的アイデアが盛り込まれた車も続々誕生しています。
そんなマニアックな車が、将来に渡って量産されて広く行きわたり、当該メーカーが生き残れるか?となると話は別ですが、東南アジアを旅していると、近年、聞いた事のない中国メーカーの珍しい自動車に頻繁に出会うようになりました。
一方、日本国内に目を転じると、少なくとも私が車を自腹で買うようになってから40年、メーカーの勢力図にはほとんど変化はありません。
水面下では日本の全メーカーはトヨタ系、日産系、ホンダ系に再編され、特色のある乗用車を生産していたいすゞなども業務用車専業ブランドになったりしてますが、日本では新しい乗用車ブランドは登場しない、というより登場できない仕組みになっているのです。
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