紅麹サプリによる76件の“死亡疑い”を厚労省に報告していなかった小林製薬。テレビでお詫びCMを放映しながらの隠蔽に批判が殺到している。だがSNSでは頑なに「小林製薬頑張れ!」を叫ぶ人々も。同社を擁護する人々の驚きの主張とは?
紅麹製品で新たに76件の死亡疑い。小林製薬の隠蔽体質に批判殺到
小林製薬の「紅麹(べにこうじ)」成分を含むサプリメントによる健康被害の問題で、サプリ摂取後に死亡したとの相談が新たに76件寄せられていたことが明らかになり、同社の隠蔽体質に対する批判が高まっている。
同社がサプリによる健康被害や5人の死亡例を公表したのは今年3月下旬のこと。ただ、実際には「紅麹コレステヘルプ」など該当製品の自主回収をはじめる2ヶ月前には腎疾患などの健康被害を把握していたことから、後手後手の対応に非難が集まったのは記憶に新しい。
にもかかわらず、新たな死亡事例を2ヶ月以上にわたって厚労省に報告していなかった小林製薬。サプリとの因果関係は調査中というが、ネットでは同社の姿勢に失望の声が相次いでいる。
「小林製薬は健康被害を公表後、テレビで“お詫びと謝罪”のコマーシャルを放送してきました。『小林製薬よりお詫びとお願いです。この度は弊社、紅麹製品にてご迷惑をおかけし、深くお詫び申し上げます』という例のCMです。製品回収への協力を呼びかけるとともに、健康被害の相談窓口を案内する内容で、同社の“反省”や“真摯な姿勢”を好意的にみる視聴者も少なくありませんでした。ところが同社は、そんなCMを流している最中もリアルタイムで消費者にウソをついていた。『小林製薬は完全に終わった』『もうこの会社は絶対に信用できない』など、SNSは非難囂々の状態です」(ネットメディア編集デスク)
それでも小林製薬を擁護する人々の言い分とは?
小林製薬の謝罪CMは、ゴールデンタイムのバラエティ番組でも盛んに放送された。今回、明らかになった同社の「ウソ」は、お茶の間に対する“裏切り”とも言え、ネットの反応は批判の声が圧倒的に多くなっている。
ただ、そんな中でも、小林製薬を擁護する声は少なからず存在する。彼らは、一般には理解しがたい奇妙なロジックで「小林製薬頑張れ!」を叫んでいるという。先の編集デスクが説明する。
「今の状況で小林製薬を擁護するのは完全に無理筋ですが、にもかかわらずSNSでは『小林製薬頑張れ!』といった投稿がかなり拡散されている。何だろうこれはと疑問に思い、詳しく調べてみたところ、どうやら陰謀論界隈の一部で、一連の紅麹サプリ騒動が『闇の厚労省vs.光の小林製薬』という構図で解釈されていることがわかりました。彼らは、国や厚労省が新型コロナワクチンの薬害を隠蔽しようとして、小林製薬に健康被害の責任を押しつけていると考えているんです」(同)
3月末に公表された5人の死亡者や、今回新たに相談が寄せられた76件の死亡疑い。これらの原因は小林製薬の紅麹サプリではなくコロナワクチンである、と主張する根拠は何なのか?
「確たる根拠は不明です。ただ、小林製薬にはサプリと死亡の因果関係を調査中の76件の相談とは別に、“製品を未摂取”や“因果関係なし”と判断された94件の相談もあったと報道されています。そのため『小林製薬のサプリと関係なく94人が亡くなっている!』⇒『ならば76件も紅麹サプリとは無関係に違いない!』⇒『今回の騒動はワクチン薬害を隠したい厚労省による情報操作だ!』という主張をしばしば見かけます」(同)
その他のバリエーションとして、厚労省ではなく“DS(ディープ・ステート)の連中”による“小林製薬潰し”“日本潰し”との説も積極的に拡散されているという。彼らは、筆頭株主が外資系金融ではなく小林章浩社長であることに着目し、小林製薬は海外ワクチン企業やその“黒幕”に狙われているのだと主張している。