闇の厚労省vs光の小林製薬!? 死亡疑い76件隠蔽でも「小林製薬頑張れ」の陰謀論が跋扈するワケ…発信源はどこなのか

2024.07.01
by 東山ドレミ
 

謎の“小林製薬擁護”を調査。発信源はどこなのか?

コロナワクチンによる薬害が発生しているとの有力な報告は複数存在するし、厚労省にそれを隠蔽したい動機があるのも事実。ワクチンの効果には賛否あるものの、過去の薬害事件の歴史を振り返れば、厚労省の言い分など信用できない、という立場は十分にありうるところだ。

その点では、「厚労省は闇の勢力である」という解釈は(その表現センスはさておき)一応、了解可能と言える。同省は国民から批判され、疑われるだけのことを過去にやらかしてきた。だが、だからといってなぜ小林製薬が「光の勢力」になってしまうのか、その思考回路を理解するのが非常にむずかしい。

厚労省も小林製薬も、どちらも問題がある組織、という見方になるのが普通ではないだろうか?先の編集デスクの話。

「同感です。『闇の勢力である厚労省vs.光の勢力である小林製薬』という善悪二元論にもとづく主張は、どうにも宗教くさいというか、もっというとカルトくさいんですよね。そこで、小林製薬を“アクロバティック擁護”する動機をもった団体を調べてみたのですが…。健康被害が懸念されていた機能性表示食品制度を強引に導入したのは安倍晋三元首相ということで、それと距離が近い旧統一教会がまず浮上します。ただ実際に、いまSNSで陰謀論を拡散している人々の過去の投稿をチェックすると、旧統一教会に批判的な人々もかなり含まれていることがわかったんですよ」(同)

陰謀論を拡散している人々は、機能性表示食品制度を創設した安倍元首相の“功績”を讃えるために小林製薬を擁護している、と考えればたしかに筋は通る。だが、どうやら旧統一教会が中心ということではないらしい。では、他にどんな団体の可能性があるか?

参政党の支持者たちが、少なからず小林製薬擁護の論陣を張っている様子が見受けられます。その多くはワクチン懐疑派でもあります。さらに彼らは過去に『安倍晋三の魂を受け継ぐ』という政治的主張を展開していたのも確認できましたので、1つの可能性として有力ではないでしょうか?ただ、今回の小林製薬擁護に関しては、アンチ旧統一教会かつアンチ安倍の人々も含まれており話がややこしい。現時点で断定するのはむずかしいですね」(同)

小林製薬擁護の“発信源”をたどると、参政党以外に、まったく根拠のない誹謗中傷により様々なプラットフォームをBANされてきた陰謀論界の大物や、アルコール依存症罹患歴のあるお騒がせインフルエンサーに行き着く。彼らもまたワクチン懐疑派のようだ。

だが、彼らの荒唐無稽なワクチン陰謀論で迷惑を被るのは、当のワクチン薬害被害者の人々や、まともな常識を備えたワクチン懐疑派の人々にちがいない。闇だの光だの言っている暇があるなら、「小林製薬も厚労省もどちらも“闇”である」可能性を検討したほうがいいのではないか。

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