パソコンやスマホのインターネットゲームにハマり、自分で決めた時間のルールなどを守れなくなり、学校や仕事、大切にしていた人間関係にまで悪影響を及ぼす人が増えています。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、「インターネットゲーム症」「ゲーム障害」などと言われる症状を改善するために、マインドフルネスの有効性を調査した中国での研究を紹介。ゲーム障害治療の選択肢が増えると期待しています。
ゲーム症に対するマインドフルネスの効果としくみ
◎要約:『インターネットゲーム症に対して、マインドフルネスは有効であり、効果は脳の部分的な活動抑制を介して発揮される可能性がある』
今回は、インターネットゲーム症に対するマインドフルネスの効果と神経学的な仕組みについて調べた研究をご紹介します。
インターネットゲーム症に対するマインドフルネスの効果としくみ
Efficacy and Neural Mechanisms of Mindfulness Meditation Among Adults With Internet Gaming DisorderA Randomized Clinical Trial
中国における研究で、ゲーム症の基準を満たす18歳以上の成人(平均20.3歳、女性53%)が対象となりました。対象者をマインドフルネスを行うグループと、筋肉リラクゼーションのグループにランダムに分けて、効果と脳の働きを比較しました。
結果として、以下の内容が示されました。
- マインドフルネスを行ったグループの方が、インターネットゲーム症の重症度が低くなっていました(今回用いられた Internet Addiction Test scoresで、マインドフルネス-3.6 vs リラクゼーション-1.1)。
- 機能的画像検査で調べた結果、マインドフルネスを行ったグループでは、両側レンズ核、島、内側前頭回の活動が低下していました。
ゲーム症に対しては、他に(限られた施設で)認知行動療法等が試みられていますが、有効な選択肢が増えることが期待される内容でした。
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