がっかり。モトローラの新製品記者発表会がIT系メディアの記者に不評だったワケ

22.05.2024,Serbia,-,My,New,Motorola,Edge,50,Pro,Mobile
 

新製品や新商品を多くの人に知ってもらいたい企業が、著名人にその優れた点や新しい点をアピールしてもらう。よくあるマーケティングの手法ですが、誰に向けたプレゼンかを押さえていないと、思わぬ不評を買うこともあるようです。今回のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』では、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんが、モトローラ・モビリティ・ジャパンの新製品「motorola edge50 pro」シリーズの記者発表会に疑問と不満を抱いたと告白。専門家が多いメディア向けの発表会では、どんな方法が喜ばれるかを率直に伝えています。

「スマホでこんなに綺麗に撮れます」はメディアが求める内容だったのか?モトローラがインフルエンサーを起用したトークセッション実施に疑問

2024年7月3日、モトローラが「motorola edge50 pro」シリーズの記者発表会を開催した。イベント中、メディア陣のX(旧Twitter)でこっそり盛り上がっていたのが「この、トークセッション、必要か」という指摘であった。

通常、発表会ではトークセッションパートが設けられる事が多いが、今回は「インフルエンサー」ということで、映像クリエイターとストリートスタイルフォトグラファーの2名が登壇した。1時間強の発表会のうち、26分間がトークセッションに割り当てられていたのだが、正直言って、トークの中身が薄く、聞くに耐えがたいものであった。

トークセッションの存在自体は全く否定するものではない。特に芸能人が登壇すれば、朝の情報番組などが取り上げてくれるため、IT系メディアがシラケていても、一般への波及を考えれば効果は絶大だろう。

今回のトーク内容としては「スマホなのにこんなに綺麗な画像、映像が撮影できる」というものなのだが、10年くらい前であれば「そんなに凄いのか」という話になるが、スマホが登場して15年以上が経過する中で、もはやそんなことは誰でも知っていたりする。

百歩譲って、トークセッションがYouTubeで配信される、あるいはインフルエンサーのファンが集まる一般向けのイベントであれば、成立するだろうが、会場に集まっているのは、これまで何百モデルとスマホを取材、触ってきた、百戦錬磨のメディア陣だ。なぜ、いまさら、motororaのスマホを初めて触ったような素人の話を30分近く聞かなくてはいけないのだ。実際、話した内容としては「撮影する際、何も考えず、オートで撮影した」と言っており、何一つ参考にする要素がない。

これが例えば100万登録を超えるYouTuberが「普段からmotorolaのスマホを使って、撮影から編集まですべて行っているので、そのテクニックを紹介する」とかであれば熱心に取材するだろう。それが、あまりよく知らないインフルエンサーが出てきて、触って数日のスマホのカメラの感想を語られても、こちらとしては何一つ原稿に書ける要素がないのだ。

本当にメーカーとして自信のあるカメラ性能をメディアにアピールしたいのであれば、もはや、インフルエンサーに触らせて感想を言わせるなんてことはしなくていい。

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