2023年の自動車輸出台数が日本を抜き、初の世界一となった中国。今や自動車大国の名をほしいままにする隣国ですが、ついにイスラエルの「占領」にも成功したようです。日刊で中国の自動車業界情報を配信するメルマガ『CHINA CASE』は今回、中国車がイスラエルの販売台数でトップとなったニュースを伝える記事を紹介。何が「占領」を可能にしたかについて考察しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:中国自動車がイスラエルを「占領」、中国勢が日韓を抜き首位に
中国自動車がイスラエルを「占領」、中国勢が日韓を抜き首位に
イスラエルの自動車市場で2024年1~6月、中国勢が韓国、日本を抑えて販売台数で首位に立った。
中国現地では、ロシアに続く他国市場席巻に、「中国自動車がイスラエルを占領した」と大喜びだ。
国際社会においてやや問題のある市場からシェアを伸ばし、その海外進出の勢いを強めているあたり、中国らしいと言えばらしいか。
しかしそれも現実、対策を練らなければ、世界の自動車市場での中国勢の存在感は大きくなり続ける可能性が高い。
電動車が中心
イスラエルの自動車市場で2024年1~6月、中国勢は3.5万台の新車を販売した。
これは韓国勢の2.7万台、日本勢の2.3万台を上回り、イスラエル自動車市場でトップとなった。
3.5万台のうち、2.7万台が電動車であることもロシアとは違う。
ロシアと違う構図
ロシアではウクライナ侵攻後、先進国のメーカーが順次撤退する中で、主に奇瑞(Chery)の格安ガソリン車が大量に輸出されるようになった。
一方で、イスラエルでは電動車が多い。
BYDが主力
イスラエルの新車販売における電動車比率は17%と、中国除く、他の国と比べても小さくはない。
この68%を中国勢の電動車が占めているという。そして、その主力がBYDだ。
BYDは現在までに、イスラエルにおいて6車種を展開、その販売台数は1万台を超えた。
つまり、中国勢のイスラエルにおける電動車販売の3分の1以上をBYDが占めることになる。
その中心がATTO 3(中国名は元PLUS)であり、7,265台を販売、現在イスラエルで最も売れるモデルになっている。
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