これに対し台湾は51年になると英語と日本語ができて中国軍の内情を知り、思想的に健全で体力もある心理戦要員が国民党軍の特殊任務部隊員として選抜された一方、韓国では小中学校教師を中心に華僑要員も選抜された。同年3月国民党要員の第一陣が東京経由でソウルに入った。彼らは米陸軍が雇用した文官として1年契約だったが、延長も可能だった。給与は月300ドルで、当時の台湾人平均月収の20倍だったという。
具体的な心理・情報工作について徐氏は記事で
▽捕虜になった中国共産党軍の兵士に対する尋問、転向誘導、敵陣動向などの情報収取
▽飛行機で敵陣後方へ行き中国語と朝鮮語で書かれたビラの大量散布
▽南東部の巨済島と南西部の済州島にあった中国共産党軍捕虜収容所での懐柔、転向誘導、台湾移送
などを挙げた。
これらの事実を私はDМZ博物館所蔵のビラから見出すことができた。台湾は朝鮮戦争では、直接韓国に派遣することはなかったが、先ほども述べたように国民党軍から心理作戦要員を選抜して派遣し、米陸軍が雇用した文官として任務に就き、52年に設立された黒蝙蝠中隊は中華民国(台湾)国軍に支援を与えるためのダミー組織あった。本稿は「世界日報」(7月9日号)を全面的に引用した。原文の『月刊朝鮮』7月号は韓国の畏友に入手依頼をした。
(宮塚コリア研究所 代表 宮塚利雄)
※本記事は有料メルマガ『宮塚利雄の朝鮮半島ゼミ「中朝国境から朝鮮半島を管見する!」』2024年7月20日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。各月550円です。
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