ヒカルも想定外?JOYの「全面謝罪」に芸能記者が思うこと。事務所との月10万円奴隷契約「暴露」で失うのは本人の信用だけではない

2024.07.30
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ワイドショー番組のコメンテーターとしてもお馴染みのモデル・タレントのJOY(39)が、人気YouTuberヒカル(33)のチャンネルに出演、年間400~500本ものテレビ番組に出演しながらギャラはたった月10万だった時期があると「暴露」しました。実はこれはウソで、いわゆる「盛った話」だったのですが、世間が「ネタ」としてスルーしてくれず、本気で怒っているのはなぜなのでしょうか?全面謝罪に追い込まれてしまったJOYの“盲点”を、芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが分析します。

話を盛っただけなのに…JOYの「奴隷契約」暴露にネット騒然

父親がイギリス人で母親が群馬県人という、ファッションモデル兼タレント、コメンテーターのJOYが、人気YouTuber・ヒカルとコラボしたYouTubeで、以前所属していた芸能事務所の奴隷契約を言いたい放題話し、SNSで話題です。

ルックスの良さと機転の利く受け答えで、“ひな壇”に引く手あまただった2010年頃には、“ブレイク・タレント・ランキング”第1位に輝いたこともあったJOYです。

現在はもうすぐ4歳になる娘のパパであり、TBS系昼の情報番組『ゴゴスマ』の木曜日コメンテーターを務めています。

JOYは、事務所に入った直後はレギュラー番組は無かったものの、テレビ番組への出演本数は年間400~500本くらいあったそうです。

にもかかわらず、ギャランティは月額10万円程度しかもらえていなかったと告白しているのです。

事務所との話し合いの末、ギャランティは15万円に上がったと言いますが、前の事務所を辞めて8年ちょっと、今だその怒りが心のどこかに残っているのでしょうね。

当時の事務所は引っ越して、現在は東京・世田谷区三軒茶屋の『キャロットタワー』にありますが、そのそびえ立つビルを見る度に「一体誰のおかげでこんな場所で仕事が出来るんだ!」と怒り心頭の様子です。

事務所との契約トラブルは「芸能界あるある」シャレにならない…

タレントと所属事務所とのギャランティを巡るトラブルで私がすぐに思い出すのは、もう7年にもなるのですね…清水富美加の独立騒動です。

今は“千眼美子”と改名した彼女ですが、2015年に朝の連続テレビ小説『まれ』で、ヒロイン・土屋太鳳の同級生役を演じ、一躍注目を集めました。

順調にいけば、数年後には朝ドラヒロインの座も巡ってくるかもしれないほどの清水でしたが、突如出家宣言をし、代理人から「給料は5万円。劣悪な労働環境下にあった」「本人が嫌がる仕事も無理矢理させられた」と所属事務所が告発されたのです。

清水が精神的に追い込まれた“嫌がる仕事”とは何ぞやと、当時の芸能記者たちはこの話題を肴に盛り上がったものでした。

この所属事務所には新垣結衣も所属していましたから、ガッキーは大丈夫なのか、ちゃんとギャラを貰えているのかと、全くの他人事ながら、まるでガッキーの親族のように心配したものです。

ちなみに告発された事務所の答えとしては、月給が5万円と認めた上で、“年1000万円は超えるマンションの家賃、エステや飲食にかかる費用、送迎車の手配は全て事務所が負担していた”と主張してきました。

長年芸能界で仕事をしてきた私は、それぞれの言い分が痛いほど理解できます。

「泣いて笑って、たった月10万の給料」だと嘆くタレント。

「身なりや衣装、エステやボイス&演技トレーニング等、先行投資の莫大な費用をいくらかけていると思っているのか…ひとりで大きくなったようなことを言って」と考える事務所。

しかしエンターテインメントの世界で、“夢を売る”商売の特殊性を考えれば、ファンの偶像を壊すような内情暴露はほどほどにしていただきたい…そう思ってしまいます。

「ネタでした」では許してもらえなかったJOY

冒頭のJOYの暴露話ですが、その後JOYは――

「事実とは全く異なる話」
「かなり誇張してしまった」
「お世話になった事務所の信用を貶めるような事をして申し訳ない」

と、『X』で謝罪するという、意味不明な反省をしています。

実はJOYはこの手の話、今に始まったことではなく、もう10数年前からし続けているんですね。お笑いで言うところの“ネタ”のように…。

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