暗転した運命。萩生田氏の権力闘争は敗北に終わった
安倍元首相が非業の死を遂げた後、萩生田氏の運命は暗転する。統一教会とのズブズブの関係がばれ、窮地に追い込まれた。
だが、したたかな萩生田氏は岸田首相にうまく取り入り、経産大臣から党政調会長にポスト移動すると、防衛費増強など安倍銘柄の政策を進め、安倍派の後継者レースの先頭を走った。
だが、狂いかけた運命の歯車は容赦なかった。派閥のパーティー券販売をめぐる裏金問題が発覚し、萩生田氏は収支報告書に記載しなかった裏金収入が直近5年間で計2728万円にのぼることが判明した。
萩生田氏は党の役職停止処分を食らったが、「都連会長は役職停止に含まれない」との岸田首相の発言を引き出し、党東京都連会長の座にはかろうじて踏みとどまった。
そこから巻き返しをはかるため萩生田氏は、4月の衆院東京15区補選、7月の都知事選、都議補選を主導して勝ち抜き、9月の党総裁選を前に有利に立ち回ろうともくろんだ。
ところが、その結果は惨憺たるものだった。
衆院東京15区補選では候補者さえ擁立できずに立憲の勝利を許し、都議補選は2議席しか獲得できず、八王子を含めて6人が落選。都知事選も、小池百合子氏が勝ったとはいえ、自民党からは誰も小池陣営の応援に入らないステルス選挙戦の結果であり、萩生田氏の手柄というより、むしろ体よく小池氏に利用された感が強い。
萩生田氏は7月16日、「指揮を執った私の責任は大きい。会長を退き、新体制の下で来年の都議選と参院選に臨む」と、都連の会長を辞任する意向を表明せざるを得なくなった。









