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いじめは犯罪である

「いじめは犯罪である」これが今の世間での常識だ。では前述の、「小学生から中学生まででいじめの加害被害を経験したことがある児童生の割合は、およそ9割もあるのだ」の「いじめ」という単語を、「犯罪」に置き換えてみたらどうだろう。

「小学生から中学生までで犯罪の加害被害を経験したことがある児童生の割合は、およそ9割もあるのだ」

どうだろう。危機的状況であるとは思えないだろうか。しかし、法改正はされず、事実上類似する隠ぺい事件や教師までもがいじめをしたり、児童生徒を狙って性被害が起きるという事件報道が後を絶たない。数年間の放置は当たり前のように起き、その度、専門家は教育委員会の対応不足や法理解の不十分さなどを指摘している。

大臣などの発言も曖昧だし、現場にいる身としては、もはや唖然とする心すら失うほど、期待してはダメだろうという思いに支配されるほどだ。

関心のある人たちや報道にコメント入れる人たちは、法ではこうなっている、ガイドラインはこうだ、こういう通報システムがある、警察などに入ってもらえるよ。など仕組みをアドバイスしてくることが多いが、そうはならないから大変なのだ。

そして、そうした仕組み(法律を背景とした)が運用されなかったとしても、その法律などでは、罰則も責任を誰が負うかも無いのだから、いわゆる公助がいじめにおいて機能するケースは稀だと言えるのだ。

例えば、門真市で起きたいじめ自死に関するニュースでは、ご遺族がこう発言していた。

死亡した男子生徒の母親:(ネットの書き込みで)簡単に警察に届けたらええやんって、たまにちらっと見ると書いてるんですけど、でもやっぱり、動いていただけない。国自体が、いじめが犯罪だということを認識する、警察も、もっと真剣に動いていただけるようになっていただきたいなと強く思います。
(関西テレビ「newsランナー」 2024年8月5日放送)

大阪においては、私も別件で被害児童と一緒に警察署に行ったことがある。怖い顔をした刑事に暴力被害を受けた女児が怒鳴られるという事態を経験したことがある。一方、別の地域では、別の所轄から対応に慣れた女性警察官をわざわざ呼んでくれて、懇切丁寧に対応してくれ、サイバー班も動いてネット上の彼是にも対応してくれたことがある。

つまり温度差がすごいのだ。対応する人でも差が出るのではないだろうか。本来そうであってはならないが、それを正してもらうには時間もかかるし、それらを待っている悠長な時間はない。

だから、私は、できる限り正攻法で手続きなどを進めつつ、メインは自助共助で進めざるを得ないのだから、やるべきことを粛々とやることを推奨している。

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