親の心構え
保護者、児童生徒の心構えとして、「いじめは起きる」ということが大前提だ。
起きないというのは奇跡に近いし、起きづらい学校、地域というのは、何らか特別な対策がされているものだ。自然豊かだ、大人との距離感が近いなどはそれらの要因とはならず、単なる大人の自己満足、効果のないおまじないの類いとも言える。
また、いじめ防止対策推進法や文科省が持つガイドラインなど様々な取り決めがあっても、それを実行するのは各自治体であり私学なら学校法人などになる。つまり、その差は明らかにあって、隠ぺいが多発している地域もあれば、訴えても問題提起してももみ消されることが常で、泣き寝入りだらけのところもある。つまり、その学校単位、地域単位での対策に委ねられてしまうということだ。
実際、私が証拠を集め、加害者側の一部が加害行為を認めているのに、学校と教育委員会がいじめを認めないというケースもある。
例えば神戸市は18年間隠ぺい事件と呼ばれるいじめ事件があるが、加害者もいじめを認め、裁判所もいじめを認定している状態の中、神戸市教委のみいじめを認めないという異常なところもあるわけだし、高知県南国市のように、第三者委員会を設置すると大々的にプレスリリースしてやってますアピールをしつつも、およそ5年間、第三者委員会を放置するところもある。
また、加害者の保護者と話せば、きっとわかってくれていじめをしないように指導してくれると思うのは、気持ちはわかるが現実そうはならないことが圧倒的に多い。
加害者側が「債務不存在の訴え」で被害者を訴えてきたり、私や報道機関に訴えるぞと脅してくる悪質なケースもある。被害者の親を挑発して殴らせようと計画をしているような加害親とその友人らの録音などが私の手元にはある。
まずは、こうした現実を知ることが大切だ。
被害を知ったら、受けたら
まずは正攻法通りの担任への相談や学校への連絡は必ずするべきだ。それで解決できなくても、きちんと相談しましたという記録は残る。ただし、誤って削除してしまいましたなど後で都合が悪くなると、証拠が消されてしまうことがあるから、電話相談も直接相談も何もかも会話は絶対録音する。録音は相手に断らなくても別段問題はない。当事者録音といって、会話の当事者が録音する分には盗聴にはならない。
また各学校には「いじめ防止基本方針」が設置されている。いわゆるいじめが起きた場合のマニュアルのようなものだ。公開のものだから、学校のホームページ確認することができることが多い。ホームページに無くても学校に言えば、公開のものだから写しはもらえるはずだ。これ自体どうせ守らないから意味がないという経験者も多いが、結果よりもどういうルールを学校自ら定めたのか知る上では有用だ。
SNSの場合はデータのバックアップと同時にスクリーンショットをするなど証拠化しやすいし、加害者に脅迫されているなら録音がまた有効打になる。殴られたり蹴られたら、すぐ病院に行って診断書をもらったり、警察に駆け込んでもいい。
とにかく記録と証拠を残すのだ。
また公立校の場合は、開示請求が使えるから、個人情報の開示や行政情報の開示を情報開示請求で行うと、学校が教育委員会に報告した内容や詳細調査という調査書などが入手できることが多い。
このようにできる限りのことをまずは行うことをお勧めする。
この記事の著者・阿部泰尚さんのメルマガ









