加害者が学校を去るべき
Xなどを見ていると、「加害者が学校を去るべき」という意見がたくさんある。諸外国の中では、いじめ加害者が未成年であっても裁かれたり、退学となるという決まりがあるというのも事実だ。
そして、私も学校に残るべきは被害側であって、加害側が何のお咎めもなく学校で普段通り学生生活を謳歌するというのは、結果的にいじめ軽視になると思うし、理不尽であると考える。しかし、罰則も処罰規定もなく、いじめ加害を原因とした加害者の出席停止がほぼ0件という今の現状と隠蔽が横行する環境、法律を鑑み、被害側が隠ぺいをする学校を見限り、転校を選択することは、1つの選択肢としてあっても良いと考えている。それを決めるのは、被害家族であって、誰かに批判されることではないだろうし、転校も十分、重大事態いじめの要件になるから、安全を確保した上で問題提起してもよいと思うのだ。
選択肢はいくつもある
選択肢が限られた地域や環境で暮らさざるを得ない家庭もあろうが、それでも選択肢が1つしかないということはないだろう。いじめられたらどう行動すればいいのか?
きっと誰もが被害側となってはじめて直面することになる。そうしたときに、役に立つのが対応実績の多いプロの存在だ。
はじめて直面した人より、たくさんの事案に関わっているプロの方が圧倒的に選択肢を持っているし、事例を知っている。そして、シチュエーションごとの選択肢の正解を知っているわけだ。
道は一つではないことがわかると、それだけで心理的な不安もかなり軽減するだろう。
国も少しづつ気が付いてきている
8月7日、こども家庭庁の加藤こども政策担当相が記者会見をして、不登校やいじめの重大事態が深刻な状況であることや、採用しているいじめ調査アドバイザーからは、「不登校になっている事案でいじめの重大事態の件数が増えている」といった背景や、「いじめの重大事態が起きた時に学校の中だけで解決しようとする傾向がある」といった実態の報告を受け、いじめを受けたり不登校になった子どもに対して、学校の支援だけでなく地域の支援が受けられる仕組みを8月末の概算要求に向けて検討するよう指示したと各社報道された。
この報道をみて、「ん?」と思ったのは事実だ。さらっと、不登校といじめの関係がかなりあるという内容だが、文科省の統計では、いじめ原因は、不登校の僅か数%にみたず、いじめとはほぼ無関係だと御用有識者や似非活動家はこれまで吠えて、現場にいる我々を非難してきたし、各社報道もそれに同調して、我々を無視してきた。
それが手のひらを返して、やっぱ多いですとなって、学校以外の支援をと始まったわけだから、何をいまさらと思う被害者も多い事だろうが、やっと現実を直視したということはあろう。それがまずはの一歩なのだ。
まあ予算を作るみたいだから、どぶ捨て予算にならないことを祈るところだ。
公助のオプションが増えれば、自助共助のみの自己責任で疲弊する被害者もずいぶん楽になるだろう。しかし、ニュースでは未だに自助で頑張るしかないという現実がある。だからこそ、今いじめられている君、それに気が付いている君には、恥ずかしくないから相談してもらいたいのだ。そして、保護者にあたる方々、こどもたちの夏休みで久々に会う親戚の方、おじいちゃんおばあちゃんなど関係する方々には、いじめ発覚は早い方が、回復が早いことから早く気が付いてあげて欲しいと思う。
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