さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。
人は「幸せ」になりたいから、結果的に他人が不幸になることでもやってしまうのです。人は「幸せ」を感じたいから誰かに意地悪なことをしてしまうのです
「みんな幸せになりたい。だけど、そのやり方がよくないのだ」そう考えると、みなさんの周りにいる意地悪をしてくる人たちを多少は理解でき、ほんの少しだけでも寛容な気持ちになれるのではないでしょうか
いまは平穏に暮らしているあなたでも、幸せになりたい思いが強すぎると、その先の判断を歪めてしまうことは十分にありえる
人の根底には“軽んじられたくない”“尊敬されたい”といった気持ちがあります。そこから得られるだろう幸せを強く求め過ぎてしまうと、判断を誤り結果的に「歪んだ幸せ」を求めることになるのです
嫉妬を生むきっかけとなる4つの条件
(詫摩武俊『嫉妬の心理学』)
・自分と同等か、それより劣っているものが優位に立つ
・自分の嫌いなもの、軽蔑しているものが優位に立つ
・自分と同性のものが優位に立つ
・自分より優れたものから優位を誇示される
ブルース・フッドは著書の最後に250以上の研究から結論を出した研究結果を以下のように引用して締めくくっています。「人生において物質主義を追求すべきだと信じ、優先させる態度と、さまざまなタイプの個人の幸福度とのあいだには、一貫して明らかな負の相関がある」
人の情動は、大脳新皮質より下位部位の大脳辺縁系が関与しているとされ、五感を通して入った情報が認知の過程に入る際に「情動」というフィルターを通りますので、情動は判断過程にも様々な影響を及ぼします
不同意わいせつを行った少年たちに聞いてみますと、そういった行為をしたくなった理由に、イジメ被害などでイライラした気持ちをスッとさせたかった、といったものがありました。イジメ被害による怒りで正常な判断が困難になったのです
「いい人をやめよう」は、その言葉を真に受けた人物を不幸にもしてしまう無責任な言葉かけ
相手のストーリーを知ると寛容になれる
すべての根底にある3つのポイント
・みんな幸せになりたい
・みんな自分を見てほしい
・みんな人の役に立ちたい
医療少年院で、歪んだ教育、思考、判断の末路を見てきた著者が書いているだけに、説得力があります。
人間の行動が情動に左右される限り、どんな人間でも、幸せを求めて間違うことはある。
転ばぬ先の杖として、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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