8月22日、シカゴで開かれていた民主党全国大会の最終日に大統領候補の指名受託演説を行ったカマラ・ハリス氏。支持率の平均値でもトランプ氏を上回るなど止まらない勢いを見せていますが、2026年の建国250周年を前にアメリカは初の黒人女性大統領を戴くことになるのでしょうか。今回のメルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』では国際政治経済学者の浜田和幸さんが、情勢を冷静に分析。ハリス氏がインド系であることに注目し、黒人女性大統領誕生の可能性を考察しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:カマラ・ハリスはアメリカ初の女性大統領の座を射止めるのか?
カマラ・ハリスはアメリカ初の女性大統領の座を射止めるのか?
ぶっちゃけ、アメリカの大統領選挙はかつてないほど盛り上がっています。
ほんの1ヶ月前までは、バイデンvsトランプの「老老対決」のため、多くの有権者は「もっと若くて、ましな候補者はいないのか」と、選挙に無関心でした。
ところが、81歳のバイデン大統領が選挙戦からの離脱を表明し、後継に副大統領のハリス女史(59歳)を指名したことで流れがガラリと変わったのです。
狙撃事件で九死に一生を得たトランプ氏(78歳)は、当初は強がっていましたが、新たな対抗馬の登場で危機感に囚われているフシが見え隠れします。
相手がバイデン氏の時は「あんな老いぼれにアメリカを任せることはできない」と強気一辺倒でしたが、若さと多様性を売り物にするハリス女史が登場すると、「体調が悪くなった場合には、選挙戦を辞退する可能性も否定できない」と、弱気の発言をする有様。
しかも、本人も自らが副大統領候補に選んだバンス上院議員も、ハリス女史のことを「突然、黒人になったようだ」とか「子どもを産まず、子猫を可愛がっているだけだ」と、人種差別ともとられるような罵詈雑言のオンパレードです。
余りの品のなさに、共和党支持者の間でも自制を促す声も聞かれます。
主要メディアも、突然吹き始めた「ハリス旋風」を好意的に扱う傾向が顕著です。
このままでは、アメリカ初のインド系黒人の女性大統領が誕生する可能性が出てきました。
実は、そうした「新しい流れ」を巧みに演出しているのがハリス陣営なのです。
各種世論調査では意図的に彼女の支持率が高くなるような操作も顕著に見られます。
指名を受けてから2週間で500億円を超えるという史上最高額の献金を集めたことも。
共和党の側からは「これはハネムーン現象で、ご祝儀相場に過ぎない。ハリスには政策も実績も皆無だ。直に自滅するだろう」との発言も聞かれます。
しかし、ここは冷静な情勢分析が欠かせません。
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