韓国の都心で大問題に。セミ急増しかも眠れぬほど大絶叫のなぜ?

 

通常、梅雨が終わる時にセミの鳴き声も始まるが、気候変化はセミの登場時期に影響を及ぼしている。気象庁が2021年に発表した資料によると、平年(1991~2020年)セミの初鳴き観測は7月10日で、以前の平年(1981~2010年)の7月13日より3日早かった。気候的夏の開始日が2日早くなったのと似た傾向を見せたというのが気象庁の説明だった。

今年も気象庁の季節観測資料を通じて確認した結果、セミの初鳴き観測はソウルの場合6月25日で平年より18日、大田(テジョン)は6月12日でなんと27日早くなるなど、ほとんどの地域で平年より早いことが分かった。

国立生態院生態新技術チームのカン・ジェヨン研究員は「セミの出現は毎日少しずつ上がる温度を合わせて計算する累積温度(積算温度)が重要だ」として「気候変化で気温が急速に上昇すれば積算温度が充足され出現時期が繰り上げられる」と説明した。

国内で騒音の原因として指摘される種は、最も体の大きいマルメミだ。環境部が指定した気候変動生物指標種でもある。彼らが出す音は80dB(デシベル)程度で、他のセミ(60~70dB)より大きい。

これは地下鉄の騒音(80dB)や車両のクラクション(100dB)に匹敵する水準だ。さらに、チャムメミのようにリズム感を持って鳴くのではなく、一定の決まった音だけ出す上、周波数帯域も6キロヘルツ)で人々の耳によく入ってくる。

都心の中のセミの個体数の増加及び雄叫びの原因としては、大きく、1.都心の温度, 2.適合した生息地の提供, 3.セミ捕食者の減少などが挙げられる。

2013年、梨花女子大学エコ科学部のチャン・イグォン教授の研究によると、脱皮殻を利用したセミ密度調査の結果、ソウル江南と京畿道果川市をはじめとする首都圏のセミ密度が京畿道楊平郡など小都市地域より10~16.5倍高いことが分かった。

カン研究員は「マルメミは30年前まではソウルでは珍しかったが、気候変化と都市変化で個体数が増えた」として「特に松坡区や江南区、汝矣島など大規模宅地で開発された地域ではヒートアイランド効果でマルメミが好む27度以上の気温が長く持続することを確認した」と説明した。27度以下で主に活動するチャムメミとは違って、マルメミが好きな気温が維持され、遅い時間までずっと鳴くのだ。

print
いま読まれてます

  • 韓国の都心で大問題に。セミ急増しかも眠れぬほど大絶叫のなぜ?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け