社会の経済状況が悪くなってくると「20歳以前で酒飲みになる危険がある」という研究結果

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思春期に不適切なアルコール使用を行ってしまう人の特徴はどのようなものがあるのでしょうか。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、アルコール使用の経過と社会的要素、パーソナリティの観点からの影響について調べた研究が紹介されています。

アルコール使用の経過とパーソナリティ等の要素の関連

◎要約:『思春期における不適切なアルコール使用は社会的要素やパーソナリティの影響を受けるが、それぞれの要素で影響の仕方は異なっている』

今回は、思春期におけるアルコール使用の症状経過について、パーソナリティや社会的要素等の関連を調べた研究をご紹介します。

思春期における不適切なアルコール使用の経過とパーソナリティ、社会的要素、脳機能、家族歴の関連
Personality, Social Factors, Brain Functioning, Familial Risk, and Trajectories of Alcohol Misuse in Adolescence

ヨーロッパ(ドイツ、イギリス、フランス、アイルランド)における研究( The IMAGEN multicenter longitudinal cohort study)のデータを元にしており、2,240人(女性49.6%、研究開始時14歳)が対象となりました。

アルコール使用やパーソナリティに関する心理検査や脳の画像検査について、14、16、19、22歳時の結果を調べました。

結果として、以下の内容が示されました。

・社会的資源が多い(社会経済的状況が良い等)と、全体的な不適切なアルコール使用のリスクは低くなっていました。

・あるパーソナリティの傾向(高い衝動性、高いリスクを好む、外向的性格)が、アルコール使用との関連を示していました。

・脳機能はアルコール使用との明らかな関連を示していませんでした。

不適切なアルコール使用に関して、環境や社会的資源、パーソナリティ等の様々な側面から、予防策・治療方針を検討する必要性を感じる内容でした。

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【著者】 もりさわメンタルクリニック 【発行周期】 日刊

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