「ライバルなのかパートナーなのか?」習近平国家主席がアメリカへ問いかけたワケ

 

サリバンが北京に到着した同じ27日にも米インド太平洋軍のサミュエル・パパロ司令官が、南シナ海で補給任務に当たるフィリピン船を「アメリカの船が護衛する可能性がある」と述べ中国側の神経を逆なでした。

半導体などハイテク製品の輸出を制限し、中国の発展を抑制しようとする動きも相変わらずだ。つまり、バイデンとの首脳会談でいくら原則を確認し合ったところで、中国側には徒労感が残るばかりだというのが習政権の言い分なのだ。

サリバンは、会談なかで「バイデン大統領は、近い将来に再び習主席との意思疎通の機会を得ることを望んでいる」と述べ、これを受けてメディアは「大統領選挙前の米中首脳会談の可能性が出てきた」(香港TVB)と報じている。とはいえ中国は、前回カリフォルニアで行われた米中首脳会談をある程度評価し、その感覚は米中が共有している。サリバンは、「サンフランシスコでの米中首脳会談以来、双方は両国首脳間の共通認識を真剣に実行に移し、前向きな進展を得てきた」と語っている。

たとえ牛歩の歩みといえ、米中関係は前に進んでいる。少なくとも後退はしていないという認識だ。その上で次に首脳会談を行うのであれば、「はっきりしろ!」と中国が──(『富坂聰の「目からうろこの中国解説」』2024年9月1日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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1964年、愛知県生まれ。拓殖大学海外事情研究所教授。ジャーナリスト。北京大学中文系中退。『週刊ポスト』、『週刊文春』記者を経て独立。1994年、第一回21世紀国際ノンフィクション大賞(現在の小学館ノンフィクション大賞)優秀作を「龍の『伝人』たち」で受賞。著書には「中国の地下経済」「中国人民解放軍の内幕」(ともに文春新書)、「中国マネーの正体」(PHPビジネス新書)、「習近平と中国の終焉」(角川SSC新書)、「間違いだらけの対中国戦略」(新人物往来社)、「中国という大難」(新潮文庫)、「中国の論点」(角川Oneテーマ21)、「トランプVS習近平」(角川書店)、「中国がいつまでたっても崩壊しない7つの理由」や「反中亡国論」(ビジネス社)がある。

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