下品でアホ、だけど真面目。そんなイメージが強い量販店ドン・キホーテ。一般的に「ドンキ」の愛称で愛されているこの企業の中身も、非常識なのに真剣な顧客志向と本質に基づいた経営という面白さを持っています。無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』著者・土井英司さんが紹介する一冊は、そんなドンキのマネジメントを丸ごと語っています。
【必読です。】⇒『ドンキはみんなが好き勝手に働いたら2兆円企業になりました』
『ドンキはみんなが好き勝手に働いたら2兆円企業になりました』
吉田直樹、森谷健史、宮永充晃・著 日経BP
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、発売直後にいきなりトーハンのビジネス書ランキング9位に入った注目作。
ドンキを経営する、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)のCEO吉田直樹氏と、PPIHの上席執行役員である森谷健史氏、そして博報堂のクリエイティブディレクターである宮永充晃氏が共著で2兆円達成までの戦略を書いています。
表紙からも想像できるように、写真もふんだんに使って、楽しい本に仕上がっています。
ドン・キホーテの魅力は、下品さとアホらしさ、それに真面目さが加わることだと思っていますが、本書もそんなドンキらしい一冊に仕上がっています。
どうしようもないダメエピソード、アホらしいまでのチャレンジが書かれているのに、そのいずれもが、真剣な顧客思考と、経営の本質に基づいている。
なかでも、
・「みんなの75点より誰かの120点」
・理論と逆行する「大人気なので値下げ」
は、多様化の時代、情報化社会の経営の本質を言い当てており、目から鱗が落ちました。
メインの執筆陣は、プライベートブランドに関わった3名ですが、本書では他にも、ドンキのエンタメ性を創出している偏愛社員が登場し、同社の型破りな経営のリアルを教えてくれます。
さらに、戦略・戦術に関する解説も詳しく、
・CV+D+A
・How3カ条
・What3カ条
の部分を読めば、店頭で思わず目をとめたあの商品、POPの秘密がわかると思います。
また同社では、顧客志向を貫くため、現場への徹底した権限以上を行っていますが、その仕組みや実態は、マネジメント視点から見ても学ぶことが多いと考えます。
多様化を生むための5000社との取引、そしてそれを実施するために権限を集中させてはいけないというのは、なるほど多様化の時代の覇者ならではのコメントだと思います。