マスコミが報じない衆議院総選挙2024「7つの闇」…連立再編、裏金から宗教組織票、れいわ「自民アシスト」説まで

 

(3)「みそぎ」の怪

いわゆる裏金議員について石破総理は、程度の差こそあれ悪質な場合は公認せずという判断です。また公認しても比例との重複立候補は認めないという処分の候補もいます。

いずれにしても、無所属で戦うか、あるいは小選挙区一本で戦えということなのですが、その結果として選挙に通ったらどうなのか、という問題があります。

石破総理自身も「通ってきたら『みそぎ』ということ」になるというようなことを言っていますが、本当にそんなことでいいのでしょうか? まずもって、この「みそぎ」というのは、有権者に対して挑戦しているようでとてもイヤな感じがします。

執行部としては、裏金は悪い(岸田や石破の視点から見て)が、有力な保守政治家なので、自分たちとしては全く切り捨てることはできない、だから「みそぎ」を済ませて勝って国会に戻ってきたら、「罪を消して」しまおうという姿勢です。これは無責任だと思います。さらに言えば、裏金は悪いが、有権者が当選させたのでもう「いいだろう」と有権者のせいにするというのも卑怯です。

これが中選挙区制だったり、比例だったらまだ分かります。ですが、今回問題になっているのは小選挙区です。その場合に、有権者の選択の幅は狭いのです。仮に有力な裏金議員が自分の選挙区にいて、当選したら「みそぎで過去の罪はチャラ」になるなどと、勝手に思っているとします。

有権者としては、どう考えても落選させたいと思うはずです。その場合に、対立候補が「まとも」ならいいのです。ですが、極端な排外主義者だったり、アンチ経済だったりしたら、その選択はないことになります。

そうなると、消去法で裏金議員を選ぶことになります。ですが、当選したら堂々と「みそぎ」を済ませたとしてシャシャリ出てくるのは目に見えているし、自分のせいでそうなるのも癪だ、ということになると、動きが取れなくなります。

とにかく、選挙に通ったら「みそぎ」だというのは卑怯だし、そもそも裏金を悪いと思っていないか、あるいは有権者をバカにしていると思います。この点で、石破執行部はすでに民意に見放されていてもおかしくありません。

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