(6)組織票の怪しさ
日本の場合における組織票は、アメリカほどダイナミックではないにしても、やはり選挙戦で大きなファクターとなっています。特に2つのグループ、組合と宗教がかなり大切です。問題は、アメリカとは異なって、この種の組織票、つまり組合と宗教の結束が非常に強いことです。
例えば昔からそうですが、投票日の天候がかなり悪く、投票率が下がると組織票の存在感が強まります。具体的には公明党と共産党が勝つのです。それ以外にも、保守票である立正佼成会などの新宗教、連合系の組合の組織票もかなり強固な塊としてあります。
奇妙なのは、日本の場合も投票所には仕切りがあり、絶対に本人しか見ていない場所での秘密投票がされているわけです。ですが、それでも組織票というのは、雨でも風でも非常に強い、これはどうしてなのでしょうか。
この問題ですが、たぶん宗教組織や組合などは、「棄権防止の締め付け」というのをやっているのだと思います。相互監視制度のようなものもあるでしょうし、投票所の出口等で「その地区の支持者のリスト」を持った監視員がチェックしているのかもしれません。
組織票ということでは、地方の保守票が地縁血縁に密着して集票マシーンになっているという場合も同様です。こちらも厳しいチェックのシステムはありそうです。決定的な証拠はありませんが、中には投票所の立会人が、「棄権防止のための監視員」兼「他候補への浮気防止の圧力」として存在しているということもあるように思います。
だとしたら、こんなのは選挙ではないし、民主主義でもないと思います。個々人に棄権する自由、その時々で違う政党にスイングする自由が事実上奪われているのであれば、それは十全な民主主義の選挙ではありません。国連監視団にでも来てもらって厳重に監視してもらうことも必要ではないかと思います。
ちなみに、国連監視団において選挙監視を行うノウハウということでは、日本はかなり上位に入るのだそうです。ならば、国連で監視経験のある人々がNPOを作って、日本の選挙監視をしたら良いのではないかと思うのです。









