(4)裏金の行方
とにかく、この裏金問題は全く何も解決していないと言ってもいいと思います。
田中真紀子氏の言い方によれば、この種のカネは「選挙区の地盤」のために消費されるのだそうです。その中身として想像できるのは、冠婚葬祭、エンタメ、飲み食い、違法な選挙運動(実弾だけでなく、ポスターや選挙カーなどの水増し)などです。
問題は、違法な選挙運動の場合は警察検察が動くのですが、その他の冠婚葬祭、エンタメ、飲み食いなどにカネが消えた場合は、どういうわけか証拠が出てきません。隠蔽を目的に、現金で動かしているのかもしれませんが、だとしたらこれは完全に反社会的組織の反社会的活動と言っても良いと思います。
とにかく小選挙区というのは、保守系は1本化されるのですから、この種のカネはかからないということを前提として制度設計がされています。
にもかかわらず、「政治とカネ」の問題が後を絶たないのは、とにかく「地盤」の中に「収賄体質」があるということだと思います。
政治家の場合の「贈賄すると当選する」という動機は、小選挙区になることで薄められているはずです。そうであるならば、有権者の側に「収賄」体質が残っている、この問題が大きいのだと思います。
地元から総理を出したら全力でその総理を支えればいいのに、「桜が見たい」などと言って「駄々コネ」と「たかり」をやって秘書を追い詰める、「先代はやってくれた」とか言って「格安の観劇ツアー」を要求する、これは犯罪です。
郷土の祭りの予算が足りないので、事務所に「差し入れ」を要求するのも同じです。全部が犯罪であり、そうした収賄体質を根絶すべきです。
とにかく政治家や秘書は、票を人質に取られているので自由に動けないし、この種の「たかり」イコール「恐喝」に屈してしまいます。警察、検察がそうしたタカリの構造から政治家を守るという発想も必要ではないかと思うのです。









