萩生田・高市両氏の選挙は「石破政権打倒の戦い」
選挙戦3日目の10月17日、その街頭演説に高市氏が姿を現し、萩生田氏をこう持ち上げた。
「いやとにかく、萩生田光一という政治家、何をやっても結果を出す。喧嘩に強い親分肌、面倒見がいい。だから(経産相の頃)様々な困難な通商交渉に堂々とのぞみ、結果を出してゆく。かっこええなと。萩生田候補の実績をもう一回思い出してください。私も自民党のヒラの政治家の一人ですが、萩生田候補と力を合わせれば色んなことができる」
高市氏のほうでも、政治的腕力の強い萩生田氏に大きな期待をかけていることがわかる。二人はともに安倍晋三元首相によって引き立てられてきた政治家だ。
萩生田氏は10月1日のインターネット番組で、石破首相による党役員人事を問題視し、挙党一致をめざすなら高市氏を幹事長にするべきだったと述べている。
萩生田氏の選挙は、石破政権打倒のための戦いでもある。国会に戻って石破首相を引きずり下ろし、高市政権をつくったうえで自分に総理の座が転がり込んでくる時節を待つ。現時点で萩生田氏が考え得る最高の巻き返し戦略だろう。
創価学会と公明党に見放され落選の瀬戸際
だが、萩生田氏の東京24区の形勢は予断を許さない。立憲の有田芳生氏と伯仲しており、落選も十分にあり得る戦況だ。萩生田氏に公明が推薦を出さなかったのも大きく響いている。
昨年5月、新設された衆院東京28区をめぐり、公明党が候補者を擁立しようとしたのに対し、自民党東京都連会長だった萩生田氏が強硬に反対した。萩生田氏に意中の人物がいたからだ。公明の石井幹事長(現代表)は「東京における自公の信頼関係は地に落ちた」と憤った。
その時にできた亀裂が尾を引いている。前回衆院選で萩生田氏が獲得した約14万9000票のうち、学会票は4万4000票あまりを占めており、創価学会と公明党にそっぽを向かれた打撃は大きい。









