世耕弘成氏がすがりつくのも「安倍元首相との深い仲」
離党した和歌山2区の世耕弘成氏は「安倍さんの靴」を履いて、安倍氏との親密な関係を強調した。10月15日、海南市における最初の街頭演説。世耕氏はミカン箱の上に立ってしんみりした口調で語った。
「今日は安倍さんの形見である靴を身につけています。安倍さんと私は靴のサイズがぴったり一緒でした。この靴は、安倍さんの形見として昭恵夫人からいただいたものです。2007年の第一次政権終了後、再び再起を期して安倍さんがまず地元の許しを得ようということで山口を歩いた時に履いておられた靴です」
裏金問題で離党勧告を受けて党を離れ、参院から鞍替えして出馬した衆院選。自民党は同選挙区で二階俊博元幹事長の三男、伸康氏を公認したため、保守分裂の激戦となっている。
世耕氏がやや優勢と見られているが、老獪な二階元幹事長が引き締めをはかっており、予断を許さない。
自民党参院幹事長という肩書を失い、自民党という大樹に寄りかかることもできなくなった世耕氏にとって、安倍元首相と関係が深かったという事実だけが自分の価値をより大きく見せるための拠り所なのかもしれない。
世耕氏もまた高市側につき、石破政権を打倒することで巻き返しをはかろうとしている。
9月の総裁選で世耕氏は、自民党を離党していたにもかかわらず、自らが率いてきた安倍派参院議員のグループ「清風会」の票を高市氏に集めようと画策していたといわれる。









