1日でウクライナ戦争を終了させると豪語していた米トランプ次期大統領ですが、本当にそんなことは可能なのか疑問が残ります。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、トランプがウクライナをどうするつもりなのかについて書かれたニューヨークタイムズの記事を紹介しています。停戦か、武器提供か?アメリカの真意は…。
トランプはウクライナ戦争をどうするつもりなのか?
トランプについて世界の多くの人が注目しているのはウクライナ戦争への対応です。
トランプは、ウクライナへの支援に懐疑的な見方を示していました。
また、1日で戦争を終結させることができると豪語していました。
実際のところどうするつもりなのでしょう?
これについて2024年11月13日のニューヨークタイムズ記事をみてみましょう。
記事抜粋
平和協定において最も厄介な問題となるのは、土地(国境)ではなく安全の保証である。
ウクライナ政府は、ロシアからの再攻撃に対する保証として、北大西洋条約機構(NATO)への加盟を求めてきた。
欧米諸国の通常兵器の提供があれば、戦闘の再開を抑止できるとも述べている。
また、ウクライナ高官は、停戦ラインが戦後の同国の経済回復を妨げないよう確保したいと考えており、例えば工業地帯が投資に適さないほど治安が悪化しないようにしたいと述べた。
加えて両軍の間の緩衝地帯である非武装地帯の幅も重要な考慮事項であるとも述べた。
解説
ウクライナにとって、もっとも大事なのは国境線よりも安全保障の確約です。
そのためにNATOに加盟したい、それが無理なら西側の継続的な武器支援を求めるというのが大きな要望です。
対してロシア側はどうなのでしょう。
記事抜粋
ロシアはかねてより、ウクライナのNATOへの加盟は受け入れられないと述べてきた。
そのような動きがあれば停戦合意は破棄されると示唆している。
さらに、ウクライナで占領した領土の支配権を維持したいとも表明している。
プーチン大統領は、和平交渉に関してはウクライナが強硬な立場を取っていると繰り返し主張ししている。
停戦の課題は、ウクライナ軍が8月に侵攻したロシア南西部クルスクの一部占領である。
ウクライナ政府は、この地域を交渉の場での駆け引きの材料として捉えている。
ロシアでは、ウクライナの撤退が交渉開始の前提条件であると広く考えられている。
プーチン大統領の与党の議員であるコンスタンチン・ザトゥーリン氏は月曜日のインタビューで語った。
「ウクライナ人がクルスクから追い出された場合、ロシアは来春までに戦線での停戦を受け入れる可能性がある」
解説
プーチン大統領の側近が停戦の条件(クルクス州からの撤退)を提示したのです。トランプに対するメッセージでしょう。
トランプの考えはどうでしょう。
記事抜粋
おそらく、トランプ氏の考えについて最も詳細な手がかりは、7月のフォックスニュースとのインタビューで明らかになった。
「私は、ゼレンスキー大統領に、『もうたくさんだ、取引をしなければならない』と伝えるだろう」
「私は、プーチンに、『取引をしなければ、我々はゼレンスキーに多くのもの(武器)を与えることになるだろう』と伝えるだろう」
解説
おそらくトランプは、
- ウクライナがNATO加盟しないこと
- ウクライナ軍のクルスク州からの撤退
の2つを交渉カードにしてロシアと話し合うでしょう。
ウクライナの要望も入れながらですが、停戦を優先させるでしょう。
両国が渋った場合は、トランプは上記コメントのように脅かすことができます。
ロシアも戦争で疲弊しています。
トランプとゼレンスキーは先週会談しましたが、双方とも協議内容については公表していません。
トランプの恫喝のきいた提案を両国が受け入れる可能性は十分にあります。
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(『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』2024年11月17日号より。この続きをお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録ください)
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