「山西の倒爺(投機家)」
こうした経歴から遠氏は「山西の倒爺(投機家)」と呼ばれ、地元を中心に著名人になった。
しかしトラックも競争が激しくなり、重汽、東風、一汽、三一重工、徐工など国有系がNEV含め本腰を入れ始めた結果、DAYUNAUTOの存在感は2020年代以降急速に失われた。
博打、乗用車「運航」
「山西の倒爺」が打ち出した次の施策が、乗用車「運航」の展開だった。
2022年発表時に、一気に4モデルを発表、30万元前後及び50万元に達するラグジュアリーBEVを展開した。
そして今に至るまで、ラインナップはこの4車種にとどまっている。つまり大失敗した。
エンブレムはパクリ
エンブレムがアストンマーティン、あるいはアストンマーティン由来とも思われるヒュンダイ・ジェネシスと酷似していたことも、すでに発表当時から嫌な予感はしていた。
この価格帯の車で今売れ筋は、ファーウェイだったり、理想(Lixiang)だったりするが、ファーウェイは別格としても、Lixiangも愚直にREEVに取り組み、クルマの「家」化というコンセプトを堅持、今の地位がある。
山西の、全国的には無名の田舎メーカーがパクリを行いつつすぐに結果が出る価格帯ではない。
展開2年、一般の中国人でこのブランドを知っている人は皆無だろう。知っていたとしても、この価格を見て、どう思うかは想像に難くない。
トラック部門にも悪影響
案の定、発表からちょうど2年ほどの現在、無茶が祟った。販売不振の「運航」の失敗がトラック部門をより苦境に追いやり、グループ全体の経営を圧迫したようだ。
「山西の倒爺」の数度目の投機は完全な裏目に出て終焉しそうだ。
出典: https://auto.gasgoo.com/news/202411/11I70410074C108.shtml
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