ドラマ『海に眠るダイヤモンド』が、思わぬ低視聴率に苦しんでいます。TBS日曜劇場枠としては、23年7月期の『VIVANT』より面白い、とポジティブに評価する視聴者は決して少なくないにも関わらず、歴代ワーストに近い低空飛行の原因とは?芸能記者歴30年のベテランジャーナリスト・芋澤貞雄さんが解説します。
神木隆之介、杉咲花、土屋太鳳。豪華キャストで大ヒット間違いなしのはずが…
『デイリー新潮』が、TBS系の日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』の“キャストやスタッフは超一流なのに何故か低視聴率”の理由を言及していました。
記事には、初回から緩やかに右肩下がりの視聴率に、“日曜劇場枠としては2014年1月期『ごめんね青春!』のワースト視聴率を更新する可能性もある”と書かれています。
『ごめんね青春!』は、『あまちゃん』の次の年、一躍時の人になった宮藤官九郎のオリジナル作品で、当時は『関ジャニ∞』と『NEWS』の掛け持ちメンバーであり、今年『不適切にもほどがある!』にも出演した錦戸亮が主演、ヒロインは満島ひかりというドラマです。
ちなみに平均視聴率は7.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、第6話で6.7%にまで落ち込んだ『海に~』の関係者からの、“何とかこれ以上下がらないでくれ”という本音が聞こえてくるようです。
『デイリー新潮』は、演出の塚原あゆ子、脚本の野木亜希子、プロデューサーの新井順子のゴールデン・トリオに少なからず油断のようなものがあったのでは…と指摘しています。
塚原は『グランメゾン東京』『わたしの幸せな結婚』、野木は『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』、新井は『着飾る恋には理由があって』『最愛』を手掛け、最近では『ラストマイル』を約58.7億円の興行収入に導いた最強トリオです。
私たちが力を合わせれば、ヒット作品なんて湯水のように仕上がる…なんてあぐらをかいていたというのでしょうか、視聴者をなめすぎでは…というわけです。
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最終回に向けて“相乗効果と化学反応”は起こるか
初回から『海に~』を観ている私が、率直な感想を申し上げれば、キャスティングの座りの悪さを感じます。
神木隆之介、杉咲花、土屋太鳳の共演に“朝ドラの主演経験者ばかりで凄いなぁ…”と思ったのですが、昨年6月に神木と杉咲が共演した『大名倒産』の、予想を裏切る興行収入成績の低さが頭のどこかに残っていたのも引っかかっていました。
この映画は他に松山ケンイチ、宮崎あおい、佐藤浩市といった芸達者たちが出演していたのですが、劇場は閑古鳥が鳴き、興収成績は約3.7億円に終わってしまったのです。
また、杉咲に関して言えば、今年4月期の『アンメット ある脳外科医の日記』が、医療関係の漫画というヒット要素を持ちながら視聴率が伸びなかったこともありました(平均視聴率は6.0%)。
そんな神木と杉咲に、激痩せとかやつれている風に見える土屋が加わったわけですから、何となく居心地の悪さを感じてしまったわけです。
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それぞれは、朝ドラに主演できるほどの役者なのですが、そんな役者をただ集めて共演させても、大きな相乗効果を見せる化学反応は起きなかった…ということでしょうか。
記事には“昨年7月期の『VIVANT』のように、最終回で巻き返すこともできるはず”とあります。
初回から、人間の儚さや人生の重みを観せつけてくれている宮本信子の(ネタバレになるので詳しくは書きませんが)“謎解き”も答えが出てしまいました。
最終話が22日になるのか、29日になるのかはまだ発表されていませんが、あと少し、なんとかひと踏ん張りしてほしいと、視聴者のひとりとして思うばかりです。
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プロフィール:芋澤貞雄
1956年、北海道生まれ。米国でテレビ・映画のコーディネーター業を経て、女性週刊誌などで30年以上、芸能を中心に取材。代表的スクープは「直撃! 松田聖子、ニューヨークの恋人」「眞子妃、エジンバラで初めてのクリスマス」。現在も幅広く取材を続ける。https://twitter.com/ImozawaSadao
image by: 日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』|TBSテレビ