60歳以上が37.6%を占める訪問介護員の平均年齢
とりわけ訪問介護職員の高齢化は、大きな問題です。
訪問介護員の平均年齢は、23年9月時点で54.7歳で、60歳以上が37.6%を占めます。「70歳以上」に限ると12.2%です。
介護される側にすれば、介護してくれる人の年齢が自分と近いことは、安心にもつながりますが、訪問介護職の人たちは分刻みでケアメニューをこなし、次の現場への移動は自転車です。ゆっくりとランチをとる時間もなく、パンや肉まんなどを、立ったままサクッと食べるだけで済ませる人も多いのです。
訪問介護職の人たちの中には、在宅で介護する家族のことまで気遣い、ケアしてくれる人もいます。利用者さんが一人暮らしの場合には、「私だけが社会との接点だから。私が行かなくちゃ生活できない」と、家族のように接してくれます。
訪問介護は、現場の人たちの熱意と努力だけで成立しているといっても過言ではありません。
むろん訪問介護職事業所の中には、他の事業所と連携をするなど、経営の質を改善することで、サービスを維持してる事業所もあります。でも、これが結構難しい。地域特有の問題から、そうしたくてもできないケースもあるし、事業所を運営してるトップの経営手腕が必ずしも優れてるわけでもない。
だからこそ、もっと国は現場の声を聞いてほしいし、政治家や官僚はそのためにいるのではないでしょうか。
介護問題は2025年問題の本質的な問題です。
みなさんのご意見や体験など、お聞かせください。
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