日本の保守派も、トランプを怒らせる要素十分
それはともかく、自衛隊や在日米軍の応援団であるべき保守派はどうかというと、彼らも問題を抱えているわけです。
具体的には歴史認識において枢軸日本の名誉を回復しようという無謀な心情を隠さない点が挙げられます。これに加えて必要以上に近隣諸国との協調を壊そうとしたり、核武装論まで口にする勢力がいることです。
全く理解できないのですが、友邦で同盟国である韓国との関係を勝手に悪化させて面白がっていて、そのくせ親米保守だなどというのは自己矛盾にも程があると思います。
更に言えば、サンフランシスコ体制のセットに組み込まれた「和平条件」を構成する東京裁判をネチネチと批判するのも危険極まりません。
仮に、東京裁判批判がバレて日米関係が悪化し、日本が孤立した結果として領土を奪われたりしたら、東條大将や松井大将などの霊は全く浮かばれません。彼らなりに将として責任を取った彼らは、少なくとも日本の平和のために死んでいったはずですが、自分の死が新たな火種を引き寄せるのは本意ではないだろうからです。
とにかく、こうした姿勢はアメリカの利害と対立するだけでなく、日本を孤立と破滅に追いやる危険思想だと思います。そのくせ、そうした保守派が北朝鮮の国策に追随している新宗教のカネと人力に依存しているのですから話になりません。
それはともかく、そのような日本の「保守派」の主張は、「在日米軍が瓶の蓋」となっている中では、「瓶の中の人畜無害な国内向けの議論」だとみなされ、許容されてきました。
こうした構造の奥にあるのは1つの事実です。それは、在日米軍にとって日本国内には本当の味方は少ないということです。
在日米軍を歓迎する「親米保守」は、心情的には枢軸日本の名誉回復を望み、中国や韓国との関係悪化を厭わず米国のパワーバランスを撹乱する勢力を抱えています。一方で在日米軍を忌み嫌う左派は、自主武装に強く反対することで米軍駐留の原因を作っているとも言えます。
つまり、在日米軍にとっては歓迎しつつ足を引っ張る勢力と、歓迎しないくせに自分たちに依存している勢力があるだけで、真の理解者はいないことになります。
これをトランプ時代の言い方に翻訳すると「命がけで守ってやっているのに、危険だから出て行けという左派と、守ってもらってあり難いといっているクセに、東京裁判反対などといってアメリカに刃向かう右派」ということになります。









