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ゼレンスキーの「スーツ未着用」をあざ笑った記者の正体

で、この記者が誰だったのかと言うと、極右放送「リアル・アメリカズ・ボイス」のブライアン・グレン記者(56)、トランプ大統領が「最も好きな記者」として名前をあげたこともある人物でした。これまでは記者会見などに出られませんでしたが、トランプ大統領が就任直後、SNSのインフルエンサーなどにもホワイトハウスの出入りを解放したため、記者会見にも出られるようになったのです。

さて、日本では安倍晋三元首相を崇拝する自民党の高市早苗議員が「女性の着ぐるみを着た安倍晋三」などと呼ばれていますが、アメリカの共和党にも同じような女性議員がいます。共和党下院議員のマージョリー・テイラー・グリーン議員(50)で、過去には極右団体の幹部をつとめていて、数多くの陰謀論を垂れ流していました。そんな残念すぎるグリーン議員ですが、日本の高市早苗議員と同じように、アメリカでは「ハイヒールを履いたトランプ」と呼ばれています。

そのグリーン議員が、今回、ゼレンスキー大統領に無礼な質問をしてあざ笑ったブライアン・グレン記者のガールフレンドだったのです。今回の記者会見でも、グリーン議員は現場にいて、グレン記者が無礼な質問をすると拍手をしていたのです。まるで、日本の衆議院の憲法審査会で、国民民主党の玉木雄一郎代表が改憲派としての意見を述べるたびに、傍聴席から拍手していた愛人のグラビアアイドルみたいですね。

そして、この「ハイヒールを履いたトランプ」ことグリーン議員は、自身のツイッター(現・X)に「ゼレンスキーが我が国の大統領に金を物乞いしに来る時さえスーツを着ないほど無礼だったと指摘したことが非常に誇らしい」と投稿したのです。

でも、この一連の流れの口火を切ったのは、実はトランプ大統領だったのです。ホワイトハウスに到着したゼレンスキー大統領に、まずトランプ大統領が言っセリフが「You’re all dressedup(今日はずいぶんとおしゃれをして来たな)」というジョークに見せかけた皮肉だったからです。そして、このトランプ大統領の言葉を受けて、飼犬のブライアン・グレン記者が無礼な質問をし、「ハイヒールを履いたトランプ」がそれをツイッターで拡散するという、昨年の大統領選挙中に何度も見られたカルト極右の連携プレーです。

そもそもの話、この流れは、トランプ大統領が就任する前から始まっていました。アメリカ大統領選挙の投票日を直前に控えた2024年10月17日のインタビューで、ウクライナの問題について問われたドナルド・トランプ候補は「ゼレンスキーは戦争を始めるべきではなかった。彼はすでに戦争の敗北者だ」の述べ、ロシアの武力侵攻によって始まった戦争をゼレンスキー大統領のせいにしたのです。そして、次のように続けました。

トランプ 「ゼレンスキーは今まで私が見て来た中でトップクラスのセールスマンだ。何しろ彼は手ぶらでアメリカにやって来て、そのたびに1,000憶ドルをむしり取って行く。そして、こんなバカげた戦争を扇動したのがバイデンだ。私が大統領だったらこんな戦争など起こらなかった」

こんな人物が大統領に就任したのですから、ウクライナへのアメリカの政策が大転換するのは目に見えていました。今回の会談の直前にも、トランプ大統領はゼレンスキー大統領のことを「支持率が4%しかないのに選挙も経ずに大統領の座に居座り続ける独裁者」と侮辱しました。そして2日後、会見で記者からこの発言について問われると「え?私はそんなことを言ったのか?」とトボケました。デマを垂れ流し、後はトボケる。いつものパターンです。

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