逆ギレのインフルエンサーに殺到する台湾の人々からの批判
強制退去処分を受けたうちの一人の女性は、「出発前に台北松山空港で記者会見を開き、台湾を離れるのは移民署の指摘を認めたからではないと強調。潔く台湾を離れ、今後、正々堂々と台湾に戻って家族とだんらんし、裁判所で正義を勝ち取ると訴えた」。
退去命令を受けてなお、武力侵攻を煽る言動はやめないということでしょうか。しかし、「会見には女性の夫も出席し、内政部に対し、処分を撤回し、家族を引き離さないよう求めた」ということです。当然ながら、台湾島内ではこれらの人々に対する批判が殺到しますよね。
インフルエンサーの中国人女性の居留許可が廃止されたのを受けて、台湾在住の中国人配偶者へのバッシングも起きている。対中窓口機関の海峡交流基金会は21日、大多数の中国人配偶者は台湾を支持しているとし、中国共産党の統一戦線に協力する少数のインフルエンサーの行為によって中国人配偶者全体への見方を変えることがないよう呼びかけた。
● 台湾、新たに中国人配偶者2人の居留許可を廃止 武力侵攻を主張する発言で
中国による「グレーゾーン」攻撃は日に日に激しくなっています。例えば、演習とみせかけて戦闘機や戦艦が境界線を越える、サイバー攻撃をしかけるなどです。それが、最近どれだけ頻繁に行われているかについて、以下、報道を一部引用します。
ウォールストリート・ジャーナル紙によると、中国は過去5年間、台湾に対するグレーゾーン行動を続けている。ほぼ毎日のように、中国軍機が台湾本島に向かって飛行し、中間線(台湾海峡を二分する非公式の境界線)を越えている。ほんの数年前には、そのような越境が数回あっただけでも大きなニュースになっていたが、いまや日常茶飯事となっている。
中国軍機は2021年に、台湾の事実上の防空識別圏(ADIZ)に972回侵入したが、2024年には3,000回を超えたという。それは、台湾の防衛体制に負担をかけ、台湾指導部に圧力をかけている。
2022年8月に、中国がナンシー・ペロシ米下院議長(当時)の台湾訪問に抗議して大規模な軍事演習を行った際には、その月に中国機は台湾のADIZに446回侵入した。
中国の侵入飛行は回数、頻度、範囲ともに拡大を続けている。数年前には、中国軍機の飛行は台湾の南西部に集中していたが、2023年には台湾本島全周、さらに東側にまで拡大した。
中国は航空機以外にも様々な手段で台湾に揺さぶりをかけている。それには、軍艦や海警局船、調査船、漁船団、ドローン(無人機)などが含まれる。また中国は昨年、数10機の高高度気球を台湾本島の近くや上空に飛ばした。
また中国は、陸海空軍に加えてロケット軍のミサイル部隊を動員して大規模な演習を行うという挑発行動も確立した。2年半の間に大規模演習を5回実施し、台湾封鎖のシミュレーションを行ったという。
もはや日常となっているこうした台湾周辺での中国軍の示威行動は、台湾政府を消耗させて、戦う意欲を削ぐ狙いがあるとされる。
この報道によれば、中国人民解放軍内で汚職問題が広がっており、台湾を軍事侵攻できる状況ではなく、グレーソーン攻撃もこれ以上の軍事的攻撃は難しいのが現状だとのことです。
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