両親が過保護・過干渉で自己肯定感が低く、両親に言われるがままに入った地元の会社でパワハラ上司を経験、これからも続くのでしょうか? そんなご相談が世界的なコンサルティング会社マッキンゼーに勤めていた赤羽雄二さんのもとに届きました。赤羽さんは自身のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』の中で、自身が関わったパワハラ上司の分析を紹介。そして「上司への見方を変えてみましょう」とアドバイスしています。
両親がものすごく過保護・過干渉で、全く自信がありません。会社でもすでに3人、ものすごくパワハラな上司を経験しています。これからも不安です。
Question
両親がものすごく過保護・過干渉です。中学受験、高校受験、大学受験、就職といちいち指図をし、ケチをつけてきました。中学受験は成功、高校受験は失敗、大学受験はぎりぎりセーフといったところです。就職に関しては、ITベンチャーに行きたかったのですが、「なんだそれ?」の一言で、地元の鉄道会社に就職することになりました。自分に自信がなく、自己肯定感も低いです。社会人になって11年ですが、未だに親離れしていませんし、親も子離れしていないと正直思います。これまで3人、ものすごくパワハラの上司がいました。怒鳴ることはあまりないのですが、ネチネチと重箱の隅をつつくような質問をされ、作った資料を真っ赤っかにされて何度も修正させられます。ちょっと何か失敗すると1時間以上、横に立ってくどくど言われます。こういうことが今後も続くと思うと本当にうんざりです。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。お気持ち大変よくわかります。私も過去20年以上、このパワハラ問題と戦ってきました。
私の本業は大企業の経営改革、組織改革ですので、クライアント企業内のパワハラ上司と対決したことも何度もあります。対決と言っても経営者の合意を得て、問題の部長や課長と一体一でミーティングをし、どういう点が素晴らしいか、どういう点がもったいないかを丁寧に説明します。
ほとんどのパワハラ上司は、実はあまり悪意があってやっていることではありません。部下を何とか育てようと思って、あれこれ指示をしたり叱責したり、細かいところも大事と言いたいあまりに重箱の隅つつきになったりしています。
ただ、それは上司の思いに反して、部下を傷つけているし、やる気を削いでるし、上司の時間もものすごく取るし、いいことが何もないということを説明します。
こういう話をするとほぼ皆、よくわかってくれます。
部下から見ると悪魔のように見えるパワハラ上司も、実は善意からやっていることも多いからです。ただ、善意からであってもそれが怒りに変わり、怒りにまかせていじめている面はもちろん否定できません。
上司への見方を少し変えてみてください。上司の立場で多面的なA4メモ書きをしてみてください。
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そうすると、今のどうにも我慢できない上司の態度・言動が実は自分のためを思ってやってくれている面が見えてきて、少し楽になります。
もちろん保身でやってるなと感じさせることもあるとは思いますが、決してそればかりではないことに気づくと、気分も変わってきます。
もちろんパワハラ上司がもっと変わればいいのですが、普通はそれはあまり期待できないので、こちらの見方を少し変えてみてはという提案です。
ちょっとしたことでも悪循環が止まり、好循環のきっかけになることもあります。
つまり、今感じておられるほど上司がとんでもなく悪いわけでは多分ないし、ご自身もそういう考えに変わっていくと思います。
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