「トランプ関税ショック」に対峙する個人投資家が今やってはいけないこと。「予想するだけ無駄」こそ株式投資普遍の真理だ

 

どれほど株価が下がるかを事前に読める投資家は少ない

トランプ大統領が柔軟に対応するのか、それとも意固地になって関税強化を進めるのかはわからない。いずれにしても経済状況はガラリと変わってしまったわけで、今後の株式市場は長期間にわたって低迷する可能性が極めて高い。

今回の暴落は単なる調整局面ではなく、保護主義とグローバル経済縮小の始まりである。マーケットはすでにその予兆を織り込み始めている。

ただ、予測は無駄だ。激震がきているのはわかっていても激震がどういう決着を見せるのかはわからない。市場は動揺しているが、どこで底を打つかもわからない。トランプ大統領は予測不能であり、未来の価格水準や反発のタイミングを特定することは不可能である。

もっとも、トランプ大統領が原因ではなくても、市場の予測なんかしたところでその通りに動くと思うのは間違いだ。

2000年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショック、2020年のパンデミック、そして2022年のインフレ危機、すべてに当てはまる話だが、「衝撃的なことが起きそうだ」とか「起きた」というのはわかっても、その後の底打ちや上昇のタイミングはいずれも専門家の大半が事前に正確な予測を出せなかった。

2008年の金融危機では、大手格付け会社やウォール街のアナリストがサブプライムローンのリスクを過小評価していた。その結果、リーマン・ブラザーズの破綻後、S&P500は1年間で57%の下落を記録した。

2020年のコロナショックでも、経済の停止による急激な需要蒸発が想定外だったため、相場は数週間で30%以上も急落した。いずれも予兆はあったが、実際にいつ起きるか、どれほど下がるかを事前に読めた投資家は少ない。

結局、株価の「底」を探そうとする行為自体が非合理的である。

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