アメリカがグローバル経済を否定する異様な時代に
相場が下がる時、多くの投資家は恐怖を感じる。特に大きな下落を目の当たりにすると、追加投資を控えたり、損切りをしてしまうことがある。今回の場合、グローバル経済の巨人であるアメリカがグローバル経済を否定しているわけだから、想定外の事態に「恐慌」を口にする専門家すらもいるくらいだ。
だが、長期投資の観点から見ると、下落局面こそがもっとも重要な買い場になる。バーゲンセールで優良企業の株式やS&P500連動ETFが手に入るのだ。
「落ちたナイフはつかむな」という言葉がある。これは、急落中の資産を買うとさらなる損失をこうむる危険があるという警句である。たしかに短期トレードでは正しいのかもしれないが、長期投資においては、むしろこの「落ちたナイフ」を拾うことが資産形成に直結する。
価格が低い時期に積み立てを続けることで、平均取得単価が下がり、将来のリターンが大きくなるからである。
すでにS&P500は6100ドル台から5200ドルを切るところまで落ちているわけで、15%近い下落率となっている。調整局面入りである。関税が強化されるのは確実なので、これから経済は低迷していく確率が高い。
しかし、どれくらの規模で、どれくらいの期間で、どれくらいの深刻度で株式市場が悪影響を受けるのかは何もわからない。逆に、何か事態が変わって上昇するにしても、いつ何がきっかけで相場が転換していくのかは誰にも予測できない。
これは、VIX指数を見ようが、国債利回りを見ようが、PutCallレシオを見ようが意味がない。当たり前だが、そんなものはトランプ大統領の言動や各国の対応ひとつで一瞬で変わってしまう。指数やレシオが何かを約束するものではない。
株式市場が下がっていこうとしているのはわかるが、底はわからない。そんなときに、将来の大きな利益をつかむためにやるべきことがあるとしたら、何だろうか?









