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旧皇族、〇〇宮家を名乗る男の正体。小泉純一郎氏や高市早苗氏に接触、永田町に出没中の“宮様になりたいマン”にご注意を

「旧皇族」や「〇〇宮家」を名乗り、権威に弱いお歴々に取り入ろうとする輩はいつの時代にも存在する。だが、今回ご紹介する“宮様になりたいマン”は一味違う。小泉純一郎元首相や高市早苗衆議院議員、神社本庁の上層部に接触を図るなど大胆さが際立っているのだ。そこで、小林よしのり氏主宰「ゴー宣道場」の寄稿者で作家の泉美木蘭氏がこの怪しい人物を調査。名刺の住所に突撃したところ、呆れるよりほかない素性が明らかになった。(メルマガ『小林よしのりライジング』より)
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:今度はどこの宮?“宮様になりたいマン”現る

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「賀陽宮の者」と名乗る男が永田町に出没

以前紹介した「旧皇族 華頂宮当主・華頂博一」と名乗るペテン師を思い起こさせるような、新たな“宮様”が登場した。

今回、名乗りを上げたのは「賀陽宮の末裔」「旧皇族 賀陽宮」だ。

なんで毎回こんなのに騙される人が現れるのかと思うが、日本人は「特別な血筋っぽいお方」にめっぽう弱いのだ。

『週刊文春』『女性自身』などによると、今年はじめから「旧皇族の賀陽宮の者です」と名乗る男性が永田町の議員会館に出没して、国会議員や秘書に接触しているらしい。

【関連】「秋篠宮家バッシング」なぜネットで過激化? DNA鑑定、問答無用の廃宮を煽り、日本皇室の破壊を目論む“朝敵”の正体

その人物の名は、賀陽健氏(仮名)。

本人はネット上で堂々と活動しており、連絡先も公表されているのだが、ここでは伏せておく。

菊の御紋に「富士山 神上大愛神道 日本神党 菊栄豊国協会」という謎の団体名のような文字列がずらり。 よく見ると、住所にも謎の“肩書”が添えられていて、「廣池千九郎 東京邸跡 元皇族 旧宮家 賀陽 別邸」とある。 名前を検索してみると、本人のSNSがヒットした。

賀陽家と彫られたお墓の前で…

神社本庁トップや伊勢神宮大宮司など歴任した鷹司尚武氏と…

小泉純一郎と…

議員会館内の高市早苗事務所で…

普通に感想を述べると、顔はかなりイケメンだ。

ただ、時代劇やコントの殿様か? と思うようなド派手な着物や、舞台衣装のようなジャケット姿が多く、「演劇の記念写真」という印象を受ける。

「この格好で墓参り?」「この格好で会合に?」と違和感ありありだ。

プロフィールによれば、現在38歳とのこと。

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勝手に「賀陽」から「賀陽宮」へ

SNSには、こんな自筆もあった。

名刺では「賀陽」だったが、こちらは堂々と「賀陽宮」と書いているではないか!

賀陽宮は戦後に皇籍を離れた宮家の1つで、現在の賀陽家は全員、生まれた時から一般国民として暮らしている。

ただ、賀陽正憲氏と今上陛下がご学友だったことや、正憲氏に2人の子息がいることから、週刊誌では「愛子さまの縁談候補らしい」としてくり返しネタに利用されてきた。

賀陽正憲氏自身は、皇室との縁談については「立場が違いすぎ、恐れ多い」と固辞する姿勢を示しているし、「私も菊栄親睦会(皇族の親睦団体)のメンバーではありません」と明言している。 賀陽氏が元皇族であるかのように勘違いさせる土壌を、週刊誌が作ってしまったということだ。

そこに来て、「旧宮家からの養子縁組案」が議論されているこのタイミングに、「賀陽宮の者」と名乗るあやしすぎる人物が、自己アピールをしはじめた。 一体なにごとなのか?

賀陽正憲氏「会ったことも話したこともない」

週刊誌からの取材に対し、賀陽正憲氏は「お尋ねの者は会ったことも話した事もなく、賀陽家の者として、認識していません」と回答している。

その人物が、賀陽家の人間だと名乗って活動していることすら知らなかったらしい。

やはり、勝手に「賀陽」と名乗る嘘つきなのか?

さらにこの男性、「賀陽家」のほかに、廣池学園という学校を創設した「廣池家」の縁者だとも話しているらしい。

そういえば、最初に紹介した名刺の住所に「廣池千九郎 東京邸跡 元皇族 旧宮家 賀陽 別邸」とあった。

肩書つきの住所って、どんな?

ものすごいお屋敷に住んでるの?

気になったので、「フレンドリッチの会」(※MAG2NEWS編集部注:小林よしのり氏の新プロジェクト)で上京したついでに、名刺の住所へ行ってみた。

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実際に住所を訪ねてみたら、そこは…

「旧宮家 賀陽 別邸」と記された住所は、新宿区内の駅近くにある築40年の5階建て賃貸ビルだった。 レンガ調の外観で、印刷会社や美容サロンなどが入居している。

賀陽健氏の部屋は確認できないが、最上階には「廣池」の表札がある。 ビルオーナーの住居だろう。 「廣池千九郎 東京邸跡」ってこのことか?

調べてみると、廣池千九郎は、明治時代、独自の道徳教育を組み立てた人物で、のちに学校法人「廣池学園」のもとになる私塾を開学したらしい。

戦前は、賀陽宮邸に出入りする家庭教師でもあった。

特に、賀陽宮邦憲王の長男・恒憲王(1900~1978)は、千九郎を深く信頼しており、皇族時代に一家を連れて千九郎の私塾を訪れていたほか、戦後に皇籍離脱してからも、千九郎と深い親交を結んだようだ。

で、それが現代の賀陽健氏にどんな関係があるのかというと……特にない。

だが、「廣池千九郎 東京邸跡 元皇族 旧宮家 賀陽 別邸」と入った名刺を差し出して、自己アピールしてくるド派手な男を見ると、「おお! すごい方がいらっしゃった!」と思う議員もいるのだろう。 虚しさが途方もない。

ちなみに、廣池学園から派生して設立されたのが、麗澤大学だ。

もしかして、「神武天皇のY染色体」を提唱した「麗澤大学教授」の八木秀次がやたらと自称保守界隈で重んじられている背景も、ここにあるのか……?

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あまりに遠すぎる「戸籍上だけの縁戚関係」

で、賀陽健氏って、いったい何者なのか?

てっきり、勝手に賀陽姓を名乗り、勝手に廣池家の住所を使って活動しているのだろうと思ったが、実は、賀陽家とは本当に「戸籍上の縁戚関係」があるらしい。

<中略>

つまり、「賀陽宮出身者と養子縁組をした女性と、さらに養子縁組した人物」というわけだ。賀陽家の人々には挨拶もしていなかったようで、認識すらされていない。 でも、苗字だけは「賀陽」。 どこまでも遠すぎる、「戸籍上だけの縁戚」である――

(MAG2NEWS編集部よりご案内)メルマガでは以下、著者の泉美木蘭さんが、養子縁組に至るまでの詳しい経緯関係政治団体「幸福の科学」大川隆法一家との関係謎の音楽活動などについて、さらに詳しく解説しています。皇位継承問題に口出しをする“宮様になりたいマン”に騙されないために。下記セクションを含む全文を、ぜひメルマガでご覧ください。

あまりに遠すぎる「戸籍上だけの縁戚関係」

“特別な家系”への演出

過去には「大川」「徳川」を名乗っていた

皇位継承問題にまで口を出してみる“宮様ごっこ”

(メルマガ『小林よしのりライジング』2025年4月8日号より一部抜粋・敬称略。続きはメルマガ登録の上お楽しみください)

2025年4月8日号の小林よしのりさんコラムは「トランプはグローバリズムの終焉を明確にした」。ご興味をお持ちの方はこの機会にご登録ください。

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image by: 小林よしのりライジング

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