消費税で軽減税率の対象に「新聞」が入っているのは“財務省批判”の報道をコントロールするため

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2019年から10%に引き上げられた消費税率。生活必需品には軽減税率が適用されることになっていましたが、蓋を開ければ電気やガス、水道はその対象にならず、なぜか必需品とは言い難い「定期購読の新聞」には軽減税率が適用されています。この理解に苦しむ適用方法に疑問を呈するするのは、メルマガ『佐高信の筆刀両断』の著者で辛口評論家として知られる佐高さん。自分たちへの政策批判をコントロールし、現在も物価高にあがく国民の生活に寄り添えない「二世議員」たちへ批判をぶつけています。

世襲とザイム真理教

ベストセラーになった森永卓郎の『ザイム真理教」(三五館シンシャ)にこんな指摘がある。

2019年10月から消費税率が10%に引き上げられたが、食料品と共に定期購読の新聞は軽減税率が適用されたことについてである。

「生活必需品という理由からだが、生活必需品である電気やガス、水道は軽減税率の対象とならなかった。電気やガス、水道よりも、定期購読の新聞が生活必需品という理屈はどう考えても理解しがたい」

森永の言う通りだろう。

新聞と系列のテレビの財務省批判をコントロールするため、新聞を“生活必需品”としたのである。それから除外された週刊誌は財務省批判をしている。

今回、せめて食料品だけでも、消費税率を下げよと主張する野党議員に対して、石破茂は明確にそれを否定した。

これを見て私は石破はやはり二世議員だなと思った。

物価高に苦しむ国民の生活がまったくわかっていないのである。「自民党をぶっ壊す」などと叫びながら自民党を延命させた小泉純一郎もそうだった。

小泉ほど旧大蔵(現財務)省の言いなりだった政治家もいない。世襲議員がいかにダメかを、社民党の福島みずほが語った。

格差是正のために非正規雇用をなくせと国会で質問していた時、自民党の二世議員から、「がんばってマンションぐらい買え」とか、「がんばって正社員になれ」等の野次が飛んだというのである。生まれた手間をかけただけの彼らがどう「がんばった」というのか。

自民党では世襲議員が4割にも達する。

そして、小選挙区制は彼らに圧倒的に有利であり、さらにメディア、特にテレビ局にコネ入社している奴らが自民党を勝たせる方向に動くことになる。

軽減税率を適用されない『週刊ポスト』が3月14日号で「安倍晋三の遺産3700万円を甥っ子が“無税相続”していた」とスクープした。

甥とは家系図を誇示して話題になった岸信千世で、神戸学院大学教授の上脇博之が「世襲政治家だけが父や伯父の政治資金を無税で相続できるのはおかしい」と指摘し、こう続けている。

「血縁を理由にした寄付なら、まさに政治資金の私物化でしょう」

これを読んで私は2007年9月12日付の『毎日新聞』夕刊が、安倍晋三の突然の首相辞任は、その週末発売の週刊誌が安倍にスキャンダルを報じる予定であることが原因との情報もと書いたことを思い出した。

それは『週刊現代』で、同誌は同年9月12日号で『毎日』の記事も取り込みながら、「このスクープで総理は職を投げ出した!」というリードをつけ、「本誌が追い詰めた安倍首相『相続税3億円脱税』疑惑」という大見出しを揚げた。

同誌によれば、「本誌が9月12日中に回答するように安倍事務所に質問をつきつけた」この「悪質な税金逃れの手口」を説明できず、「首相は観念した」のだという。

しかし、安倍は別に逮捕もされず、その後また首相になった。財務省傘下の国税庁は何をしているのかということである。

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