「トランプとハーバード大学が対立」報道、米国よりも日本の記事が「偏り過ぎている」証拠

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学内で親パレスチナの抗議活動を容認し、反ユダヤ主義を取り締まらなかったとして、トランプ政権がハーバード大学に対し助成金の給付を凍結しています。この話題は研究者の間でも話題となり、トランプ政権を支持しないとする研究者たちも現れ始めました。メルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』の著者・大澤裕さんは今回、この対立について、Yahooニュースとニューヨークタイムズの記事を引用しながら、日本の報道の偏りについて疑問を呈しています。

ハーバード大学とトランプ政権の対立報道

ハーバード大学とトランプ政権が対立しています。

今日はこれについて日米の記事を比較してみましょう。

例えば、4/15(火)10時24分 配信のYAHOOニュースでは以下のように報じています。

記事抜粋

米 ハーバード大学 トランプ政権の要求拒否

 アメリカの名門・ハーバード大学は、トランプ政権が要求した多様性を重視する政策の見直しや学生らの監視強化について、「受け入れない」と拒否する声明を発表しました。

 トランプ政権は3月末、ハーバード大学に対して入学選考などで多様性の重視をやめることや、反ユダヤ主義とされる活動をした学生の処分を求めていて、これらが約90億ドル=日本円で1.3兆円ほどの助成金の継続条件となっていました。

 これに対してハーバード大学は14日、「政府の法的権限を越え、憲法で保障された大学の権利を侵害する」として、要求を拒否すると表明しました。

解説

基本的にはトランプ政権が学問の自由にまで干渉し始めたというニュアンスです。

さて、今度は米国ニューヨークタイムズの記事をみて見ましょう。

記事抜粋

「トランプ大統領、ハーバード大学への留学生の入学を阻止すると脅迫」

トランプ政権は、ハーバード大学に対して、外国人学生に関する詳細な記録の提出を要求しました。これは同政権が米国の有名大学に対して展開している攻勢激化です。

クリスティ・ノーム国土安全保障長官は、ハーバード大学の留学生(学生ビザ保持者)で「違法と分かっている活動」または「危険な活動」に関与した者に関する関連情報の提出を求めました。

また、留学生が十分な授業を履修しているかどうかを確認するよう求めました。

「ハーバード大学に外国人学生が通うことは特権であり、保証ではありません」とノーム氏は書簡で述べました。

解説

「留学生の入学を阻止すると脅迫」という刺激的な表題がついています。

しかし内容の「明らかな違法活動または危険活動に関与した留学生の情報を大学にもとめる」のはおかしなこととは思えません。

私が、問題があるなと思ったのは以下です。

記事抜粋

トランプ氏は、多様性の取り組みや反ユダヤ主義を根絶する方針で大学を標的としています。

しかし、ハーバード大学に対する政権の要求は、学生の思想調査の実施など、その範囲ははるかに広範に及んでいます。

解説

最後に記されている「学生の思想調査の要求」は問題ありでしょう。

しかし、この記事、全体は長いのですが、「学生の思想調査の実施」についてはこの1文のみの表現です。

どれぐらいの範囲の調査をトランプ政権が要求したかはわかりません。

「違法・危険活動に関与した留学生」だけなのか、「留学生全体」にするのか、または「全学生」にするのか、そして、どの程度の思想調査を大学に求めたのか知りたいところです。

それによってこのトランプ政権の要求が治安維持のために必要か否かが判断できます。

しかし、そこまで記事は書いていないのです。

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