トランプは“ケツを舐めにやってきた犬ポチ日本”に超ご機嫌。逆に“ケツを蹴り飛ばした中国”が準備する「4つの戦略」

 

他国に先駆けて「ケツを舐めに」馳せ参じた日本

このような言葉遣いによってトランプは、米国にとってもはや同盟国とか友好国とか近隣国とかの特に尊重すべき国など存在せず、すべては冷酷な取り引き(ディール)で脅迫し屈服させ利益を奪い取るべき「敵対国」であると宣言しているに等しい。

カナダに「米国の51番目の州になれ」と求めたトランプの無礼に対して、ロバート・ボスウェル=トロント大学教授が「同盟国を脅す国は定義上、もはや同盟国ではない。これは国家の自尊心の問題だ」と言った(3月25日付日経)。極めて正当な反応で、同国の新首相=マーク・カーニーも同様の考えに立って「米帝国がその上に築かれてきた80年の歴史をもつ〔自由貿易体制という〕経済秩序は、はっきり言って、終わった」と宣告した(4月19日付NYタイムズ)。

ボスウェルが言うように、今後カナダは「米国市場への依存を減らすためにあらゆる努力を払う」ことになるだろう。

正反対を突き進むのが日本で、石破茂首相は側近の赤澤亮正=経済再生相を急ぎワシントンに派遣した。赤澤は4月17日にトランプを表敬訪問した後、ベッセント財務長官らと会談した。その具体的な中身は明らかにされていないが、想像するに、過去のパターンを踏襲して、米国産のコメの輸入を増やすので日本の自動車への高額関税については勘弁してほしいとか、要りもしない米国製の兵器を買い増すつもりだとか、何枚かのカードを切ったのだろう。

米側は他に先駆けて「ケツを舐めに」馳せ参じた忠誠ぶりに免じて、いきなり無理難題を吹き掛けることはしなかった。それを以て「大成功だった」と喜んでいるのが石破政権である。

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