植田日銀の一発逆転、参院選後の7月末決定会合で「利上げ再開」か?「金利のある世界」石破政権内でも抵抗感薄く

 

見えてきた「石破長期政権」永田町でも利上げへの抵抗が和らいできた

もう1つは、永田町からの抵抗が和らぎつつあることです。

まず、永田町にとっても市場の安定は重要です。夏の参議院選挙前に株式市場が不安定では選挙に負担となります。トランプショックで株価が急落した状況を見れば、政府としても選挙前に利上げして株がさらに下げれば不利になるのはわかっています。

だから選挙前の利上げはノー、となったのですが、その悪材料が株の持ち直しで改善しました。

そのうえで、与党が選挙に勝っても負けても、日銀の利上げには抵抗が小さくなっている点が挙げられます。

まず、選挙での大敗リスクが低下し、石破政権の長期維持が見込まれるようになりました。

野党の中で支持率が高まっていた国民民主党も、党首の舌禍事件や党内のごたごたで支持率が低下し、維新も勢いがなくなっています。敵失で与党が大負けするリスクが低下しているわけです。

しかも、最大野党の野田立憲民主党との共闘が年金法案などを通じて進んでいて、選挙で負けても大連立の形で石破政権の維持が可能になりそうです。それだけ与党に余裕が出ていて、かつてのような、かたくなに日銀の利上げに反対する状況ではなくなりました。

また、仮に与党が参院でも過半数割れとなり、幹部の責任問題となった場合、森山幹事長が責任を取らされ、身を引く可能性があります。

現在、森山天皇と揶揄され、ある意味では石破総理以上に力を持つ幹事長が身を引けば、日銀の利上げ阻止の急先鋒がいなくなり、それだけ日銀には追い風になります。(次ページに続く)

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