通常ならば長続きしないはずの戦略で拡大を続ける中国
中国はこれまで貫いてきた内政不干渉の法則は継続すると思われますが、圧倒的な他国との経済依存関係をベースに、そこに軍事力を加えて、一大勢力圏を作り上げようとしていますが、その背後で中国の少数民族を犠牲にし、内陸部の貧困層・農民を搾取し、周辺国に無理難題を押し付けては圧倒的な力で抑え込むという、通常ならば長続きしないはずの戦略で拡大を続けています。
そしてアメリカはダブルスタンダードを駆使して自国の利益と圧倒的な力の維持・拡大に努め、国際的なルールさえ曲げることも厭わない姿勢が貫かれています。
そのような超大国の振る舞いに各国は翻弄され、時には戦争という究極の武器を駆使してでも影響力の維持と拡大に勤しむというやり方に抗えず、一般市民の福祉や生命を犠牲にすることで、かろうじて安定を保つという持続不可能な形態でデリケートなバランスを保つ試みをしてきました。
しかし今、世界のいたるところで、そのデリケートなバランスを守るためのシステムに綻びが生じ始め、それらの綻びが互いに連携し合うことで、容易には制御できないほどの大きな亀裂に発展してきています。
その亀裂が割け切り、その下に隠されてきた様々な感情のマグマが一気に噴き出すような事態になった時、果たして新超大国はこれまでのようにバランスを保つことができるでしょうか?
それともついに新しい国際秩序が生まれることになるのでしょうか?
ただし、悲しいことにその大国のエゴの影で、罪なき一般市民の生命と安寧が犠牲になり、次々と新しい悲劇が生まれていることは、否定できない現実です。
その悲劇を一刻も早く終わらせ、誰かの犠牲の上に成り立つ安定の代わりに、相互協調と信頼に基づく国際協調に基づく新しい国際秩序が築かれることが必要だと考えます。
もしかしたら、その実現を私が生きて実際に見ることはないかもしれませんが…。
以上、今週の国際情勢の裏側のコラムでした。
(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2025年6月13日号より一部抜粋。全文をお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録下さい)
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