イスラエルの「イラン核施設」攻撃に加勢か停戦か?大統領選に貢献「ユダヤ」と親イラン「プーチン」で板挟みになるトランプ米国のジレンマ

 

イスラエルと米国は何がしたいのか?

まずイスラエル。

イスラエルの戦争目標は、イランの核施設を破壊し、イランの核兵器保有を阻止すること。

これだけです。

大戦争を望んでいるわけではありません。

もう一つ、「なんとかしてアメリカを巻き込みたい」と思っているでしょう。

トランプ・アメリカ。

ユダヤ・イスラエルとプーチン・ロシアの二つの勢力に勝たせてもらったトランプのジレンマは深いでしょう。

イラン現政権は、ドローンを提供することでロシアを助けています。

プーチンにとっては、弾薬と兵力を提供してくれている北朝鮮に並ぶ「友人」なのです。

しかし、イランが米軍基地を攻撃すると、「プーチンのポチ」トランプも、イスラエル側に立って参戦せざるを得ないでしょう。

そして、ブッシュ(子)時代と違い「やる気のないアメリカ」が参戦することで、大戦争を回避できる可能性が高まります。

イラン。

イランの指導者たちは、「国民を納得させるためにイスラエルを大々的に攻撃しなければならない」一方、「核施設が破壊されてしまったら、戦争をする意味がない」というジレンマに陥っているでしょう。

アメリカがバックにいるイスラエルに勝てる見通しもありません。

それなら、「国民が納得するくらい大々的にミサイル、ドローン攻撃を行って、その後うやむやにして、自分の地位を守ろう」となるかもしれません。

そうなるのが、一番「平和的な解決方法」です。

私たちは、イスラエルの立場もイランの立場も理解して、なるべく早い平和を願いましょう。

戦争が長引くと、石油価格が暴騰し、インフレがさらに加速するかもしれませんし。

核をもたないイラン。

そして、中東の安定と平和が、日本の国益です。

(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2025年6月14日号より一部抜粋)

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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