ルッキズムと無関係でいられる「成果と実績」で評価される世界へ
むろん、一般の人にとっては今もリアルでの生活が基本になっていますし、生活基盤のもととなる収入もリアル実業から得ている人が大多数だと思います。
これに関して、私の友人知人(投資家や実業家なので一般人とはやや言い難いものの)を見て感じるのは、まず男性の場合「投資家や起業家は見た目はほぼ関係なく、成果で評価される」ということです。
たとえば投資家は「いくら利益を出せているか、それが継続できているか、あるいは資産規模を拡大できているか」が重要ですし、起業家は「会社や事業の成長」によって評価されます。
特に会社員であれば、私も人を雇う立場だったのでわかりますが、受付や単純事務のように、人による能力差があまり大きくない職種はともかく、事業企画や管理職などのコア業務は容姿ではなく断然「能力」重視です。
見た目で選んで業績が上がらないとか、人が辞めるとかのリスクを抱えるというのは、同じ投資額に見合わないので、経営者として合理的に考えれば容姿の優先度は下がるわけです。
私個人はこれまで「イケメン投資家」には出会ったことはありませんが、「イケメン起業家」はまあまあの確率で会うことがあり、確かに存在します。そんなイケメン起業家は、当初はメディアに露出しもてはやされたりしますが、それも結局は最初のうちだけ。事業が成長し続けれなければお呼びでなくなる、というのが定番です。
そして不思議なことに、イケメン起業家は成功すると(あるいは結婚すると)表舞台から引っ込み、逆に会社経営に専念するようになります。不倫などのリスクに敏感なのか、メディアに出てもメリットがないからなのか、あるいは地に足をつけて地道に努力する方が合理的だと悟るのか…?
また、「まともな女性」というと語弊がありますから「成熟した女性」とでも言いましょうか、とにかく知的で優秀な女性ほど「人間的に尊敬できるか」という視点で男性を選んでいるようにも感じます。
むろん、これは私の周囲を見る限りの話ですが、美女のダンナの多くは見た目は普通で、でも「実直でマジメ」な印象の人ばかり。で、数年後に話を聞くと、だいたい管理職に昇進したり、転職してステップアップしたり、会社を立ち上げたりと伸びていきます。これは、いわゆる「あげまん」なのか?奥様が旦那を育てているのか?それは定かではありませんが…。
一方、これが女性の場合ですと、未婚にしろ既婚にしろ、40代ぐらいまでは「キラキラ系女子」といった感じの雰囲気で「自分よりも若い世代に憧れられる」存在の人がファンを集めることが多いです。ただ、そんな私の友人知人たちも40代後半から50代に差し掛かり、もう「キラキラ」という売り出し方をする段階ではなくなりました。
そんな状況でも根強いファンを増やし、多くの顧客を集めている女性たちは、容姿よりも「ホスピタリティが高い」「エネルギーをもらえる」「人を応援しティーアップしてくれる」といったソフトパワーが強いケースが多い印象です。
自分の人生において、何に優先順位を置くかは人それぞれです。だから、見た目重視の人がいてもそれはその人の自由。ですが人間はいつかは老います。どんなに美人やイケメンも、やがて年を取って老いていく。その一方で、次から次へと若くて容姿に優れた人が出てきて、彼らに追い抜かれるのです。
そういえば私は幼少期に、「中森明菜は美人でスタイルも良くて歌もうまくて、すべてを持った人」とか「菊池桃子のようなかわいい人と結婚できる人は幸せだろうなあ」などと思っていたこともありました。お二人ともすでに最前線からは退かれていますね。
「反ルッキズム運動」と「ルッキズムに囚われない人生」は似て非なるもの
私は人生全体を俯瞰したとき(私が男だからというのもあるかもですが)、外見を磨くことに時間や労力を費やすより、「人間としての基本性能を磨く」ことが最重要であり、結局はそれがキモのように思っています。
(もちろん、過度に太っていれば痩せたほうがいいし服装もダサいよりはキメたほうがいい。最低限の外見への配慮は必要です)
ここでいう基本性能とは、「仕事の実力」と「性格・メンタル」で、後者はたとえば「誠実・責任感・ポジティブマインド・配慮や思いやり・謙虚・冷静・行動力・判断力」などでしょうか。
逆にこれらが揃っていないイケメンは入り口でちやほやされても、あとで化けの皮がはがれてがっかりされ、人はついてこないように思います。
外見で自分でコントロールできるものは、せいぜい髪型とかファッションとか体形ぐらいしかなく、顔の造形や身長は生まれつきなので気にしても仕方ないと昔から割り切ってきました。
実物の筆者を見たことがある方はご存じでしょうが、出っ歯だし爆笑問題の太田似と言われているぐらい、私の容姿は並み(あるいは並以下?)です。それでもとりあえず2回は売れましたし(笑)、5人以上と付き合えたという経験上、このような考え方はそう間違っていなかったのだろうと思います。
そしてこの成功体験(になるのかな?)は、自分への自信と心の安定をもたらしてくれているように思います。それも自由への一つの要素ではないかと考えるのです――。
(『午堂登紀雄のフリー・キャピタリスト入門』2025/6/9号より一部抜粋、再構成。全文は登録のうえお楽しみ下さい。同号ではこの続きとして「今後は100%ネットの住人として生きる道もアリ」も掲載。メルマガ登録で、すぐに全文をご覧いただけます)
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