問題の根本解決のためわずかながら見えてきたアプローチ先
今、その地獄が起こらないための微妙なバランスと落としどころを米中ロそして時々欧州が、アラブ諸国やイスラエルの考えなども取り入れつつ練っているようです。
一度は距離を置いたカタール政府は、今回のイスラエルとイランの仲介を“成功”させたことで、イスラエルとのより密接な対話チャンネルと雰囲気が築かれたと判断し、ガザ問題についてのイスラエルとハマスの間の仲介・調停に復帰しましたが、ドーハを舞台にしたどろどろとした国際政治劇の変容を間近にして複雑な心境と、国際的な調停のハブになるという夢の実現のためにギアをあげているようです。
トルコはカタールや少し重心を再びイスラエル絡みの案件に移したことを受け、カタールが行ってきたロシアとウクライナの仲介役を引き受け、イスタンブールプロセスを再稼働し、ロシアとウクライナの当事者間での直接的な話し合いができる環境を提供していますが、その背景には【トルコを再び世界の中心に戻す】という政治的な狙いのほかに、【すべての現在進行形の紛争がトルコを境にまだ繋がっておらず、紛争の連鎖を防ぐことが出来、かつ防がないといけないのはトルコ】というイメージを調停コミュニティ内で広め始めています。
正直アメリカがイランのウラン濃縮施設をバンカーバスターで爆撃するとは考えていませんでしたが、それ以後、いろいろと協議し、分析を突き合わせる中で、これまでお話ししてきたような内容が浮かび上がってきました。
「またさらに世界は複雑になったなあ」と感じていますが、“根本”解決のためにどこにアプローチすればいいのかが少し見えてきたような気がしています。
それが何なのかは今、明かすことはできませんが、ちょうど紛争調停案件に携わることになるため、そのアイデアを試してみたいと思っています。
以上、今週の国際情勢の裏側のコラムでした。
(メルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の『無敵の交渉・コミュニケーション術』』2025年6月27日号より一部抜粋。全文をお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録下さい)
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