完全になめられた石破政権。トランプ氏の要求は“日本終了”レベル
“力”でエゴ丸出しの要求を押しつけてくるトランプ氏に対して、プーチンや習近平のような独裁者ならいざしらず、民主主義国家の日本が“力”で押し返すことは不可能だ。
安倍流のゴルフ外交で懐柔するとか、諸葛孔明のような名参謀が知恵をめぐらせるといったことが必要になるが、石破政権にそういう人材は見当たらない。
日本側の交渉担当者、赤沢亮正・経済再生担当大臣はいまや“無能”の烙印を押されかねない状況だ。
なにしろ、足しげくワシントン詣でをしてきたのに、いつも米側から素っ気なく扱われてきた。交渉を主導するベッセント財務長官などは「すべては参院選が終わってからだ」と突き放し、会談を拒否してきた。世論の反発を恐れ、参院選が終わるまで思い切った“決断”ができない日本側の事情を見透かしているのだ。
政府は赤沢氏を派遣し、必死になって交渉にあたっていると見せかけるのが関の山だった。ただ一つ守ってきたのは、参院選を前に、こと自動車に関してはいかなる“譲歩”もしないということ。弱腰を見せれば見せるだけ票が減ると危惧するからだ。
言うまでもなく、日本にとって、交渉の最大の眼目は、自動車への関税引き上げを回避することだ。自動車産業は日本の「屋台骨」である。狙い撃ちされれば、経済全体が揺らいでしまう。
しかし、アメリカが求める“見返り”は、日本にとって想像以上に重たい。農業を“入り口”に日本という国家の市場構造そのものの改革をアメリカは狙っている。自動車の検査制度・燃費基準など、米側の言う非関税障壁の撤廃もしかり。デジタル、医薬品、保険分野の市場開放も含まれる。
むろん、米国が突きつける足元の要求といえるのは牛肉、コメ、小麦など農産物の関税引き下げだろう。(次ページに続く)









