先の参院選において争点の1つとなった「ガソリン暫定税率」。その税率分として1リッター当たり25.1円が課されていますが、そもそも50年以上前に導入されたガソリン暫定税率という税金自体、現在も必要なものなのでしょうか。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、延長に延長が重ねられたガソリン暫定税率の歴史を紹介。その上で、この税がいかにペテンに満ちたものであるかを暴いています。
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:ガソリン暫定税率の嘘
騙され続けるお人好しの日本国民。ガソリン暫定税率のウソ
7月の参院選で自民党が大敗し、ついでに公明党も大敗し、衆議院に続いて参議院でも自公の議席が過半数を割ってしまいました。そのため、自民党名物の「強行採決」が使えなくなり、さっそく野党主導で「ガソリン暫定税率の廃止」の実務者協議が始まりました。
でも、そもそもコレって、今年の通常国会で可決するはずの法案だったんですよね。今年の通常国会の衆議院は野党の賛成多数で通過したのに、次の参議院で自公の残党どもが悪あがきをして潰したのです。
あたしはハッキリと言わせてもらいますが、今回の参院選で自民党だけでなく公明党までもが大敗したのは、この庶民感覚と完全に乖離した参議院での嫌がらせが、全国の創価学会員の反感を買ったからだと見ています。
とは言え、庶民感覚と完全に乖離しているのは、野党第1党の立憲民主党も五十歩百歩なので、あたしはあまり強くは言えません。今回の参院選を背景に「女性自身」が実施した「最も期待できない政党は?」というWEBアンケートでは、1位の自民党、2位のNHK党に次いで、3位が立憲民主党だったのですから。
ま、それはそれとして、今回のテーマは「ガソリン暫定税率の嘘」です。多くの人が知らないどころか、テレビやラジオで知ったような顔で解説している自称専門家の皆さんが誰1人として触れないので、満を持してあたしが書くことにしました。とても重要なことなので、どうか最後まで読んでください。
まず、基本的なことだけオサライしときますが、現在ガソリンには1リッター当たり53.8円の税金が課せられています。その内わけは、揮発油税(ガソリン税)が24.3円、地方揮発油税が4.4円、暫定税率が25.1円です。そして、ガソリンの本体価格とこの税金を足した金額に、さらに10%の消費税が課せられているため、支払った金額の約3分の1が税金になっています。たとえば、車にレギュラーガソリンを満タンにして、ちょうど6,000円だったとしたら、このうち2,000円が税金なのです。
また、店頭で酒類を買う場合、様々な酒税が課せられた価格に、さらにレジで消費税10%が課せられるため、本体価格だけでなく酒税にも消費税が課せられるという「税の二重取り」というボッタクリが横行していますが、ガソリンも同じなのです。
本来であれば、ガソリン価格からガソリン税や暫定税率などを引いた本体価格のみに消費税を課すのが正しい課税なのに、この国は税金に税金を課すという「税の二重取り」を続けて来たのです。
これが消費者金融なら、アディーレ法律事務所に相談すれば、不当に搾取された利息を「過払い金」として取り返してもらえますが、不当に搾取された税金は返って来ないのです。
でも、あたしは「宵越しのカネは持たねえ江戸っ子」なので、そんな小さなことにはこだわりません。そんなことよりも、あたしは不当に搾取され続けているガソリン暫定税率をトットと廃止してほしいのです。
この記事の著者・きっこさんのメルマガ









