最初は工場・倉庫・配送センターなど、閉じた場所でヒューマノイドが働くのが当たり前になり、それが工事現場やレストランなどのサービス産業に広がり、家庭にも入ってくることは当たり前になります。先進国における、建設業や介護業などの人手不足を、ヒューマノイドが補うようになります。
こんなSF小説のような時代が、わずか10~20年の間にやってこようとしているのです。
Patterson氏は「End State 2030」というウェブサイトを公開しており、そこで、
- 2030年までに画期的な技術は出尽くす。
- 2040年には新発明はゼロとなり、既存技術の利用と微調整だけになる。
のような議論を展開している人です。全く同意できない議論ですが、参考までに紹介します。
ちなみに、一時は盛んだったヒューマノイドの開発が日本で下火になってしまっている理由に関しては、元SCHAFT(Googleに買収されて後に消滅した東大発のロボット・ベンチャー)の研究者、小倉崇さんの記事とYouTubeインタビューが公開されているので、紹介します。
● なぜ日本からヒューマノイドロボットスタートアップが生まれないのか
● 【300万円のロボット=人件費15年分】元Google・トヨタのロボ開発者 小倉崇/工場労働者がすべてヒト型ロボになる/なぜ日本にヒューマノイドの成功企業がないのか
ひとことで言えば、長かった「冬の時代」の失敗体験によるダメージに加えて、ハイリスクなベンチャー企業に大量の資金を提供できる「リスクマネー不足」に尽きるという話です。
そんな中で、上のYouTubeでも少し触れている川崎重工が掲げている、パーソナルモビリティ「CORLEO」のビジョンは(ヒューマノイドではありませんが)素晴らしいと思います。優秀なエンジニアはこんなビジョンに憧れて、働く場所を選ぶのです。
川崎重工は、ヒューマノイドを作っている数少ない日本企業の一つでもあるので、今後の動きに注目したいと思います。
(本記事は『週刊 Life is beautiful』2025年9月2日号の一部抜粋です。「AI時代のソフトウェア・エンジニアリング」や「私の目に止まった記事(中島氏によるニュース解説)」、読者質問コーナー(今週は16名の質問に回答)などメルマガ全文はご購読のうえお楽しみください。初月無料です ※メルマガ全体 約2万字)
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